メーカー担当者直伝!電子カルテ選定のコツとは

今回より、電子カルテメーカーの営業として診療所開業のお手伝いを行ってきました私、つぶらな瞳の電カル営業マンより診療所における電子カルテ市場の動向と、長年の経験に基づき「選定のコツ」のようなものをお伝えしたいと思います。
 電子カルテシステムは1995年の厚生省(当時)による認可以来、着実な進歩を続け、今では普及率も20%を超え(シード・プランニング調査)ました。本格的な普及の時代に突入です。特に、新規ご開業される先生方の電子カルテ導入はほぼ100%に近いのではないでしょうか。
今や「必須なツール」といっても過言ではありません。
また、昨今の縦覧点検・突合点検開始などに見られるレセプト審査強化に伴い、紙のカルテから電子カルテへ移行される既存の医療機関様も激増しております。
 そんな活況を呈している電子カルテ市場ですが、現在30社近くのメーカーが乱立しており、群雄割拠の様相を見せています。これからご開業準備に忙しくなる先生にとっては、各社製品を見るだけでも一苦労。では、選定においてどんな点を基準に見れば良いのでしょうか?
 現状多くの先生方が電子カルテを選定するにあたり、まず数社をピックアップしてデモンストレーションをご覧になられます。その際の検討材料は、一般的には下記の5つの点を基準にされることが多いようです。
操作性とは/機能とは/実績とは/サポートとは/価格とは
オーダーリングシステムや電子カルテシステムのご経験がない先生方には難しいかもしれませんが、メーカーデモを見る前に「最低限電子カルテに求める事」を一つでも多く持った上でデモンストレーションを受けられることにより、選定基準が変わるのではないのでしょうか。
例えば、「操作性は、こうあって欲しい」や「絶対に欲しい機能」 などが事前にあれば、デモンストレーションの見方が変わります。
 しかしながら、市場の成熟に伴い各メーカーの操作性や機能差が少なくなってきているのも事実。メーカー側からしますと、差別化が少なくなってきているといったことでしょうか。
ともすると、先生方がご覧になられるデモンストレーションは、メーカーの一方的な機能自慢。多くのメーカーのデモンストレーションを見れば見るほど、先生方は大混乱され、選定が長期化することも少なくありません。
結果、どこも変わらないから、価格の安いメーカーで意思決定するというケースも多く見受けられます。

ここからの話は、これまでの話と矛盾するかもしれませんが、システムの選定において重要なのは、先生のお考えに合わせた提案・コミュニケーションのできるメーカー担当者と出会えるかどうか、ということになるのかもしれません。実績やノウハウを豊富に持つメーカーであれば、先生のお考えを十分に理解した上でご案内、バックアップできるのではないでしょうか。良いシステムの出会いは、良い担当者との出会いにあり、電子カルテの付加価値を高める要素なのではないかと考えます。
もちろん、安価で購入することは初期投資、経営的な視点からは必要でありますが、どこに違いを、またどのような付加価値を評価するのかにより、価格のみで判断する、といった安易な選定基準はなくなり、価格以外の要素からシステム選定の視点がうまれてくるのではないでしょうか。
 次回からは、これまでの経験より、診療科別の選定ポイントをご紹介していこうと思います。
つぶらな瞳の電カル営業マン

2013-05-31