事業計画書の作成

開業地が決まったら、具体的な必要資金が見えてくると思います。今回は事業計画書の作成について書きたいと思います。
事業計画書を作成する目的の大きいところが金融機関の資金調達やリース契約をする際の提出書類として必要になってきます。通常は診療圏調査と一緒に提出する事になると思います。
中身としましては、開業地の概要、経営理念、開業時の必要使途計画、開業後の収支のシュミレーション、借り入れ金の返済計画書といったところでしょうか。
開業地の概要については、文字通りその所在地や広さ、賃貸物件なのか所有物件なのか、有床か無床か、クリニックの名称や診療科目等を記載すると良いと思います。
経営理念については先生の開業に対する意気込みや将来の構想、クリニックの方針等を文章にして書くと良いと思います。後々読み直してみた時に、『ずいぶん当初の気持ちと変わちゃったなー。』と、いう事にならない事をお祈り致します。
次に借り入れ額を決定する際、一番の肝要になる必要使途計画ですが、テナント開業をモデルにしますが、大きく分けて、テナント入居関連資金、内装工事費(看板サイン)、医療機器・什器備品購入資金、広告宣伝費、医師会入会金やコンサルタント料、運転資金等があります。テナント入居関連資金とは物件の契約時に発生する保証金や礼金、仲介手数料などが考えられます。最近では企画料が発生する医療ビルもありますので、事前にチェックしておきましょう。次に難しいところで内装工事費ですが、豪華な内装にするのか、簡素な仕上げにするのかでも違いますが、それよりもどういった状態(設備)で借りられるかという事の方が重要になってきます。例えば40坪くらいの広さで一般のクリニック使用の内装工事(受付カウンターや流し台等を含めて)をする場合、床・壁・天井が仕上がっており、空調設備(エアコン)、フロントサッシュ(自動ドア)やトイレも付いている事務所使用と呼ばれる物件の場合、勿論例外もありますが、レントゲン室を作ったとしても坪当たり30万円位の工事費になると思います。逆に、スケルトン使用と呼ばれる床・壁・天井がコンクリートでフロントサッシュも無い状態からですと、坪当たり50万円位の工事費になると思います。これに床上げ工事や空調設備の室外機が屋上にしか置けない場合、CT室やオペ室などが必要になるようでしたら、その分プラスアルファとなります。また、商業ビルなどで夜間しか工事ができない場合は1.2倍くらい工事費が高くなります。窓面が広いと壁の工事が減りますが、その分カッティングシート等のサイン工事が高くなります。
他に見えないところで電気の増設工事の必要性、床の補強工事の必要性等もありますので、一度専門の業者さんに相談した方が良いと思います。読む方もそうだと思いますが、書く方も少々疲れました。続きはまた次回書きたいと思います。
コンサルタント碇

2007-04-28