設計のポイント① 可能かどうかの検証・各部屋の広さ

さて、今回から「設計のポイント」について書いていこうと思います。
 前回も書いた通り、まずはクリニックの動きを理解した設計が基本となります。その上で物件や条件に合わせた提案が設計プランになります。
■「可能かどうかの検証」
まずは科目、物件の広さや形に応じて必要な部屋を配置していきます。全体の配置がおおまかに決まりましても、実際に可能かどうかの検証が大事な部分となります。
 更地から計画する新築物件や、既設の建物に入る賃貸物件によっても異なりますが、確認が必要な点としましては、水廻りがあります。通常水を使用する部分には、給水・排水の配管が必要となります。電気や空調設備は配線や配管を延ばしてある程度自由な範囲で設置ができるのですが、水を使用する場合使用した水を処理する為の排水配管、流れていく為の勾配が必要となります。
 動線計画のままクリニック内にトイレを配置しても、排水ができない、流れにくい状態となってしまってはプランニングの上では致命的となってしまいます。昨今は物件全体の床が下げてあり、計画の床下のスペースで配管を行ってある程度自由なプランニングが可能な物件も増えてきましたが、まだまだ排水設備に制限がある物件が多いのが現状です。新築の場合でも構造(梁等)に干渉しない部分への配管計画、既設の物件の場合は今ある排水配管へのルート、勾配の確保が必要となります。デザインとしての配置計画(プランニング)ではなく、物件の状況に基づいた実設計としての配置計画が重要なポイントとなります。
■「各部屋の広さ」
次にそれぞれの部屋の広さですが、やはり実際に置くものを想定した広さを含めての広さの設定が必要です。例えば診察室であればデスクとベッド、患者イス、荷物置き等が考えられます。単純にデスクと言っても上に何を置くかで大きさを検証する必要があります。最近は電子カルテが主流ですので、まずは電子カルテ用のパソコン(ディスプレイ)、X線等の画像表示用のディスプレイ、インターネットを使用する単独のパソコン等を置く事を考えるとデスクは昔よりワイド寸法の広いタイプのものが適正だと思います。デスクの形状も四角のタイプや患者様側にラウンドしたタイプ等、さまざまな形状があります。デスクとベッドを対面配置した場合にその間に先生や患者様がいる訳ですが、仮に四角いデスク(一般的に奥行き70cm程度)で計画してベッドまでのスペースを120cmを確保しても、ラウンドタイプのデスク(奥行き100cm程度)を設置した場合はベッドまでのスペースは90cm程度と、やや手狭になってしまいます。さらに患者様が1人で診察を受ける場合と付き添いの方や患者様が車イスで来院された場合も考慮しなければなりません。各部屋を広さ(面積)だけで考えるのではなく、実際に置くものや使い方、使用時の状態を想定しての検証が必要となります。
 実際に壁ができる前に図面上で想定した器具を配置して確認を行った方がよりわかりやすく具体的になるかと思います。部屋を広さや面積だけではなく、実際に使用するイメージを持って提案を確認するようにしましょう。
気が付くとまた長くなりそうなので今回はこのあたりまでとさせて頂ければと思います。
次回は「設計のポイント② 全体の配置・連携の優先順位」について書いていこうと思います。次回もよろしくお願い致します。
クリニックの設計士屋さん

2014-04-30