「空調のメンテナンスについて」

今月は空調機のメンテナンスについてです。年末にもクリーニングの件でふれましたが、先日実際にあった案件を含めての再述となります。
冬に開院したクリニックさんから空調の効きが悪いとの相談を受けました。
考えられる原因としては
①空調機の能力不足
空調機自体は内装工事の際に新規に導入し、空調能力も問題ない設定でした。
②マルチタイプの運転モード
室外機が1台で複数の室内機を運転させるマルチタイプの空調機だった為、子機は親機の運転モードに準ずる為、暖房運転にならない。ただ、この時期は全て暖房運転になっている為、こちらも問題なく作動していました。
③運転準備
室外機が冷えた場合、一度送風状態となり、霜取り状態となります。その場合はリモコンに運転準備や霜取り運転等の表示が出ますが、今回は何も表示されずに通常の状態でした。
④温度センサーの不具合
室内の温度感知センサーがリモコンや本体についており、設定温度を超えると送風状態になります。今回は本体についておりましたのでカバーを開けて点検しました。センサー自体は問題なかったのですが…

フィルターが埃で目詰まりしていて吸気が出来ていない状態でした。クリーニングをせずに長年使用していたような状況でした。フィルターを掃除したところ、なんという事でしょう。今まで悩んでいた冷えも解消されて快適な温度設定のクリニックとなりました。すみません、少しおふざけが入りましたが、機器の不具合ではなく、単にフィルターの汚れ、目詰まりが原因でした。ただ、新規で設置した機器が1~2ヶ月程度でここまで埃が付着する事はあまりなく、クリニックさんに内装工事後の動きを確認してみたところ、クリニックさん手配の製作家具業者が開院前に作業に入っておりました。その際に空調を動かしながらクリニック内で家具の加工作業を行なっていたとの事でした。フィルターに付着した汚れにも木屑が確認できましたので、ほぼ家具加工作業時の埃だと考えられます。基本的に内装工事時やその後のクリニック内作業時は空調を作動させないか、作動させても作業後にクリーニングを行うのですが、今回の業者の方は確認していなかったようです。
目に見えない空気の流れの空調の効きの不具合に関しては様々な要因が考えられますが、今回は目に見える部分のフィルターの目詰まりが原因でした。フィルターが目詰まりをしてしまうと運転能力の低下や、空調機本体の過剰運転にも繋がり故障の原因にもなります。新規に設置したばかりだとしても状況によっては埃を吸ってしまっていますので、やはり定期的なメンテナンス、確認は心がけた方が良いでしょう。
クリニックの設計士屋さん

2018-02-28