「配管のメンテナンス」

今回はトイレなどの排水配管のメンテナンスについてです。マンションなどでも定期的に排水配管の洗浄を行っているかと思います。戸建と異なりマンションでは複数のトイレやお風呂、洗濯機などの各家庭からの排水配管が集まって排水の本管に接続されます。各家庭からのゴミや汚れは少しでも本管に集まりますとつまりの原因となってしまいます。下流の本管の流れが悪くなると上流である各家庭でも排水不良が発生してしまいますので定期的に配管を洗浄してつまりを解消する必要があるのです。テナントビルでも同様にさまざまなテナントからの排水配管が集まる為、建物のメイン管の清掃は必須となります。これはテナント側ではなく、建物の管理側で計画をして配管の清掃を行うべきでしょう。もし定期的な清掃を行っていないようでしたら管理会社や不動産業者に確認した方が良いと思います。後述致しますが、テナント側での配管のメンテナンスにも影響してきます。
さて、科目によって数量は異なりますがクリニックにはトイレや流し台などが必ずあります。不特定多数の方が使用する為、長年の使用によってやはり配管にも汚れが付着してしまいます。テナントビルですと建物側で準備されている1ヶ所の排水配管を分岐して複数のトイレなどに接続する事も多くなります。その場合横引きの排水配管の距離が長くなり配管内に滞留する汚物も発生し配管内部に付着しやすくなります。排水配管は内部に汚れが付着すると排水の機能が低下してしまい排水不良が発生してしまいます。3~5年を目安に配管の洗浄を検討した方が良いでしょう。配管の内部をカメラで確認して必要に応じて洗浄を行いましょう。クリニックの設備メンテナンスとして計画的にご検討下さい。つまってトイレが使用できなくなる前に行うことが大切です。配管の洗浄の方法としては高圧洗浄が一般的です。つまりが発生した際に汚れを除去する為に高圧で水を噴射して配管内部を清掃します。この時トイレなどの器具の配管上流から清掃を行いますと汚れがどんどん下流に集まりさらにつまりの原因となる場合があります。基本は下流から清掃を行い配管内部を洗浄していきます。テナントビルの場合、クリニックなどのテナント側で清掃を行いますと下流側の建物のメイン管に汚れが集まり配管のつまりの原因となる場合があります。できれば建物側と合同で配管の洗浄を行いたいところです。合同が難しい場合はテナント側の配管の清掃を行う旨を伝え、建物側に作業内容を把握してもらいましょう。
排水配管は血管と同様に潤滑に流れている事が大切です。クリニックの健康管理の観点から定期的な清掃を心がけましょう。
クリニックの設計士屋さん

2018-09-30