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■クリニック・医院開業のコンサルタントのコラム【事業計画書の作成】

事業計画書の作成

事業計画書の作成(テナント出店関連資金、内装工事費)

開業地が決まったら、具体的な必要資金が見えてくると思います。今回は事業計画書の作成について書きたいと思います。
事業計画書を作成する目的の大きいところが金融機関の資金調達やリース契約をする際の提出書類として必要になってきます。通常は診療圏調査と一緒に提出する事になると思います。
中身としましては、開業地の概要、経営理念、開業時の必要使途計画、開業後の収支のシュミレーション、借り入れ金の返済計画書といったところでしょうか。
開業地の概要については、文字通りその所在地や広さ、賃貸物件なのか所有物件なのか、有床か無床か、クリニックの名称や診療科目等を記載すると良いと思います。
経営理念については先生の開業に対する意気込みや将来の構想、クリニックの方針等を文章にして書くと良いと思います。後々読み直してみた時に、『ずいぶん当初の気持ちと変わちゃったなー。』と、いう事にならない事をお祈り致します。
次に借り入れ額を決定する際、一番の肝要になる必要使途計画ですが、テナント開業をモデルにしますが、大きく分けて、テナント入居関連資金、内装工事費(看板サイン)、医療機器・什器備品購入資金、広告宣伝費、医師会入会金やコンサルタント料、運転資金等があります。テナント入居関連資金とは物件の契約時に発生する保証金や礼金、仲介手数料などが考えられます。最近では企画料が発生する医療ビルもありますので、事前にチェックしておきましょう。次に難しいところで内装工事費ですが、豪華な内装にするのか、簡素な仕上げにするのかでも違いますが、それよりもどういった状態(設備)で借りられるかという事の方が重要になってきます。例えば40坪くらいの広さで一般のクリニック使用の内装工事(受付カウンターや流し台等を含めて)をする場合、床・壁・天井が仕上がっており、空調設備(エアコン)、フロントサッシュ(自動ドア)やトイレも付いている事務所使用と呼ばれる物件の場合、勿論例外もありますが、レントゲン室を作ったとしても坪当たり30万円位の工事費になると思います。逆に、スケルトン使用と呼ばれる床・壁・天井がコンクリートでフロントサッシュも無い状態からですと、坪当たり50万円位の工事費になると思います。これに床上げ工事や空調設備の室外機が屋上にしか置けない場合、CT室やオペ室などが必要になるようでしたら、その分プラスアルファとなります。また、商業ビルなどで夜間しか工事ができない場合は1.2倍くらい工事費が高くなります。窓面が広いと壁の工事が減りますが、その分カッティングシート等のサイン工事が高くなります。
他に見えないところで電気の増設工事の必要性、床の補強工事の必要性等もありますので、一度専門の業者さんに相談した方が良いと思います。読む方もそうだと思いますが、書く方も少々疲れました。続きはまた次回書きたいと思います。
コンサルタント 碇
【2007/04/28】


事業計画書の作成(医療機器・什器備品)

前回の続きになります。開業時の借り入れ金額を設定する上での必要使途計画についてですが、前回までにテナント出店関連資金、内装工事費について書きました。
次は購入する医療機器・什器備品について説明します。購入すると書いたのは高額な医療機器の場合、購入ではなくリースにする場合が多いからです。リースにつきましては別の機会に書きたいと思いますが、単体で10万円以下の機器はリース対象外になりますので、購入医療機器の枠に入ると思います。また、とにかく支払う金額を低く設定したいのであれば、購入医療機器の枠に医療機器も入れ、借り入れ限度額を超える部分についてリースで手当てする場合も多いようです。
購入した方がお得な物としてはレントゲン装置など、一度導入すれば買い換える可能性の低い物から順で、逆にリースにした方が良い物としては、サイズが小さくなる物、時間が短くなる物(例えばコンピュータ関連)等から順に入れた方が良いでしょう。
また、医療機器とは別にレジスターやコピー機・プリンター等の事務機器等も積み重なると意外と高額になりますので予算を取っておかなければなりません。什器備品とは待合のソファーや先生のデスク、診察台や棚、スタッフ用ロッカーといった物です。これらも広さにもよりますが、積み重なると高額になります。デスクやソファー・棚等は必ずしも医療専用の物でなくても良いと思います(医療と付くと割高な設定になっている物が多いようですので)。最近は通販のカタログでも掘り出し物が多いようですし、時間があれば家具屋に行って待合室のインテリアにこだわっても良いと思います。掃除用具やマット、傘立てなどの細かい物も必ず必要になりますのでお忘れなく。
次に宣伝広告費ですが、開院前に1度だけ許可されている折込チラシ、周辺の住民の方へ内覧会のお知らせも兼ねたクリニックの紹介カードのポスティング、このカードをある程度厚みのある高級感のある物にしておけば、捨てられる可能性も減少しますし、開院後受付カウンターに並べ医院案内にもなります。他には唯一公道に出せる広告として電柱広告、立地にもよりますがバスの放送や駅広告があります。また最近ではクリニックのホームページ作成もこの枠に入り、どこまで作り込むのか依頼するのか、またどのようなサイトに登録するか等によって金額が大きく異なりますので、ある程度、構想を練っておきましょう。また、スタッフの募集広告も開院前に必要になります。新規開業を全面に出す事によって集まりやすくなる傾向があったりしますので、内容を業者さんに任せきりではなく確認する事が必要です。
認知度の高いとても目立つ立地での開業の場合は、クリニックの看板をしっかり設置する事で、さほど広告が必要でない場合もあります。その辺りをしっかり見極め、出すところは出す、抑えるところは抑える感覚を身に付けておきたいところです。
コンサルタント 碇
【2007/05/31】


事業計画書の作成(運転資金)

今回は、事業計画書の作成の上での運転資金について書きたいと思います。
基本的には収入のない開業前の準備期間や、保険収入のない3ヶ月間も固定費は発生しますので、その手当て、また診療科目や立地条件によって異なりますが、立ち上がるまでに凌いでいく為の生活資金や予備費と考えて間違いないのですが、資金を借りる金融機関からは、開業時に具体的に必要な設備資金以外という括りで判断されます。
それは設備資金と運転資金とでは貸し出す条件が異なり、設備資金の方が返済期間が長く、場合によっては金利も優遇されていて、運転資金は返済期間が短く使途の判別も難しいからです。逆に考えると計画上使う予定の自己資金は運転資金として必要な枠に入れ、条件面で有利な設備資金の方に借り入れ資金を当てるようにする方が得策です。
ではどれくらい運転資金として考えたら良いのか、どのような支出が予想されるのかについて書きたいと思います。まず大きいところで人件費、当然保険収入の入ってくるまでの3ヶ月間分の給与と開院前の研修中に発生する給与(約1カ月分)の4ヶ月は見ておきたいところです。これは、水道光熱費や会計士等への顧問料、駐車場代等の経費も同じくらいの期間を見ておいた方が良いでしょう。また、テナントの場合は遅くとも内装工事に着工してからは賃料が発生するでしょうからその期間も足して考えておかなければなりません。
資金を借りますので、その返済やリース料も発生してきます。これらは借り入れの場合は1年間の据え置き制度や、リースの場合のスキップの制度を確認してやはり開業後4か月分くらいは見ておいた方がよいでしょう。
次に医師会に入会する場合は、その入会金も考えておかなければなりません。関西に比べると関東の方が比較的安いし入りやすいとは聞きますが、それでも地域によってバラつきがずいぶんありますので事前に確認しておきたいところです。金額は地域ごとに医師会の事務局がありますので電話でも教えてもらえます。
コンサルタントに開業を依頼する場合は、その費用も考えておかなければなりません。その業務範囲や料金について明確に確認しておきましょう。無料でお手伝いしますという薬の卸業者や内装工事業者から、4〜500万請求してくるコンサルタント業者もあるようですので、気を付けなければならないところです。一番良いのは、すでに開業された先輩方の評判の良い業者であれば間違いは少ないと思います。それでも担当者によってその力量はずいぶん違うと思いますので、実際に会っての印象や相性も大切だと思います。ちなみに弊社の場合は開業地の場所・物件探しから不動産の交渉、資金計画・融資のサポート、内装レイアウトのアドバイス、関係各所の書類手続き、スタッフの募集・面接など開業までの一連のコンサルタントで150万円程度でお願いしております。
最後に先生とご家族の生計費、資金計画の段階では想定していなかった思わぬ出費、立ち上がるまでに時間が掛かりそうな事が予想される場合などの為に予備費としてある程度運転資金を確保しておきたいところです。全体の資金の1割程度の資金を目安として設定する場合が多いようです。借り入れ資金も多すぎては返済が大変になりますが、確実に必要ないと判断できる状況になってから繰り上げ返済をする事も可能です。その辺りが医療機器のリースとは違う部分だと思います。資金繰りが大変になってから追加で融資を受けるのは、その労力や時間を考えると難しい部分もでてきます。最初の段階である程度余裕をもった資金計画を作成するようお勧め致します。
コンサルタント 碇
【2007/06/30】


事業計画書の作成(開業後の収入)

前回までは開業時に必要な使途計画について書いて参りました。今回からは開業後の収入と支出について書いていきたいと思います。
開業後、5年間ほどの収入と支出を予測し、最終的に表にして余剰金がでる計画かどうかを確認します。
収入について一番肝心で、難しいところが一日の来院患者数をどれくらいで見ていくかという部分です。
もちろん事前の診療圏調査で出る数値を目安にしながら、周辺の競合機関の来院患者数、物件の立地条件や標榜する診療科目を考慮し、その数値を決めていきます。どんなに診療圏調査で良い数値が出たとしても初日から100人、200人も来る計画を立てたのでは、金融機関からも、この経営者はずいぶん楽観的だという判断をされてしまいますし、謙虚すぎる数字ですと返済が焦げ付いてしまうのではないかと疑問視されてしまいます。例えば一般的な立地条件で比較的立ち上がるまで時間の掛かる内科を例としますと、診療圏調査で50人ほどの来院患者数が見込めるところであれば、5年目あたりにその数値を設定し、初年度は半分以下の22人、2年目で認知が進み10人増えて32人、3年目で口コミも手伝い8人増えて40人、4年目で患者数も安定してきて6人増え46人、そして5年目で4人増え50人。といった具合に一直線に増看するのではなく、なだらかに増えていくような計画が現実的だと思います。もちろん継承の物件や立地的にとても目立つ場所だったり地域的に需要の高い診療科目であったりすると、その予測の立て方も変わってきますので難しいところです。ただ、待合室に少ししか椅子がなかったり、完全予約制などにすると制限になりますので、そのあたりの注意をして予測を立てる必要があります。
次に診療単価をいくらで設定するかという事も大事なポイントになります。統計でみますと無床の診療所の外来として内科で6,000円位、整形外科で3,000円位、眼科で5,000円位、耳鼻科で3,000円ちょっと・・・という金額になっておりますが、少し低めの数値に設定しておき、当初は検査を少なめにして地域の特性や患者さんの要望などを見ながら少しずつ増やしていくようにしましょう。「あそこの診療所は希望もしない検査ばかりで高い」という評判にならないよう気を付けなければなりません。
次にクリニックの診療日数、週休2日で月22日計算が一般的ですが、先生のスタンスで決めて良いと思います。
来院患者数、診療単価、診療日数を掛け合わせたものが、企業で言うところの売り上げになります。
これら以外に診断書・証明書等の料金もありますので、売り上げの1%くらいを上乗せして良いと思います。
これらの一連の数値はあくまでも予測になりますので、作成者のさじ加減でずいぶん変わってきます。
また銀行の担当者に尋ねられた時に「コンサルタントが作ったものだから、ワシは知らん」と答えてしまうと、さすがにそういった経営者にお金を貸したいとは思わないでしょから、コンサルタントに頼むにしても、せめて銀行提出までには先生の頭に入れておいて欲しいところです。
次回は支出について書きたいと思います。
コンサルタント 碇
【2007/07/31】


事業計画書の作成(開業後の支出)

今回は支出についてです。事業計画を作成する基本ですが、収入は少なめに支出は多めに見積もっても事業が成り立つかどうかを見極める事がポイントになります。先に支出を出来る限り具体的に計上し、一日にどれくらいの患者数がくれば成り立つかという損益分岐点を割り出す事ができると思います。その場所、条件で損益分岐点を越える患者数を診れる自信があれば進めても良い計画だと思いますが、その自信がなければ考え直した方が良いでしょう。 具体的な支出についてですが、院内処方を前提とすると月々の支出で一番大きい固定費は人件費になります。もちろん、診療科目や規模によっては受付1人とか、ご家族だけで切り盛りするとなると賃料の方が高くなる場合もありますが、一般的には人件費が一番高額で、しかも開業後、後々まで先生方の問題の種になる部分だと思います。個人的には新規開業の場合スタッフの募集で人が集まりやすい事もありますので、パートタイマーでやり繰りできればベストだと思います。正職員の場合、責任感というメリットはありますが賞与や保険といったバカにならない金額が当然のように発生しますので、3ヶ月間窓口収入だけで、やっと入った保険収入は最初の月の分という懐具合を考えると・・・正職員を希望する方の面接をする際は、なにぶん手探りで事業を始めるところなので約束はできないが、将来的に正職員への登用制度導入も考えていると伝えるまでがギリギリではないでしょうか。もちろん事業が軌道に乗ってくれば実際に登用する事もできると思います。 多少話が脱線しましたが、まずはクリニックを運営していく上で最低限必要な人数を割り出し、開業地周辺のタウン情報や他の医療機関の募集広告からパートタイマーの時給を設定すると良いと思います。その際、2年目以降からは年3%くらいの昇給も織り込んで計上した方がよいでしょう。スタッフの募集などについては、また後日詳しく書きたいと思います。 次に大きい支出となると賃料だと思います。事業計画の作成時期にもよりますが、不動産賃料の交渉前であれば正規の募集賃料を計上しておいた方が良いと思います。これくらいには値下げしてもらえるはずだという見込みは意外とあてになりません。また消費税や駐車場代もここで計上しておきましょう。将来的に値上げされるような契約になっていないかよく契約書をチェックし、もしそうなっているようでしたら、その部分も想定しておきたいところです。また物件によっては契約期間毎に更新料が発生する場合もありますので確認しておきましょう。 お薬を院外処方にするとしても、院内で使用する薬品もあると思います。診療科目や先生の診療スタイルによっても異なりますが、薬品材料費として収益の0.5%から3%くらいの枠で薬品材料費が必要になります。薬の卸業者の方と事前に打ち合わせが必要になると思います。 次に検査関係を外注する場合は外注委託費も掛かってきます。ここだけの話ですが、検査会社によってビックリするくらいの割引率の差がありますので、複数の検査会社の相見積りを取るか、すでに開業されている先生に紹介してもらうと良いのではないかと思います。これまで病院で委託をしていた信頼のおける検査会社が、クリニックにとって集配などのサービスも含めて一番良いとは限らないと思います。 なんとなく際どい話になってきましたので今回はここまでに。次回はリースやその他の費用について書きたいと思います。
コンサルタント 碇
【2007/08/31】


事業計画書の作成(リースやその他の費用)

今回も支出について書きたいと思います。高額な医療機器を導入する際、リース会社を経由して導入した場合は毎月リース料が発生します。内装や運転資金などを確保する為に銀行などで借りられる枠を使ってしまった場合等の資金調達先という一面もありますが、支払うリース料が全額損金(費用)として経費で認められる分、節税のメリットがあります。リース料は各リース会社が提示する料率に基づいて算出されますが、ここで注意しなければならないのは料率は金利とは違うという事です。料率とは先生が医療機器業者と交渉して決めた金額に毎月の使用料としてリース会社に支払う金額の算出率の事で、例えば1,000万円の医療機器をリースしリース料率が1.8%であれば毎月のリース料は180,000円となります。このリース料率には医療機器に対する保険や固定資産税などが含まれているものの、金利に換算すると国民生活金融公庫や銀行などの金利より割高になってしまう事を認識しておきたいところです。
また、リース料率もさることながら保険の内容や、リース期間終了後の取り扱いについてはリース会社によって多少異なりますので、よく説明を聞き納得の上で契約する事が大切だと思います。ちなみにリース期間が終了し、まだまだ充分に使える物に関しては再リースを組む事になると思いますが、先ほどの例で説明しますと、毎月支払っていたリース料18万円の年額(216万円)の10分の1の金額(21万6千円)で年契約する事が一般的です。
これらを含めて、自己資金で足りない部分を金融機関からの借り入れにするか、リースにするかを検討しましょう。もちろん金融機関からの借り入れた場合も毎月返済が発生しますので、金利(固定か変動かを含めて)や返済期間、据え置き期間の有無や、保証人や担保の必要性などを含めて検討し総合的に判断しなければなりません。金融機関からの借り入れについてはまた後日、詳しく書きたいと思っています。
前回から、人件費、賃料、薬品代金、検査料、リース料等について書いてきましたが、これらの他に水道光熱費や通信費、看板や広告に掛かる費用、先生やスタッフの交通費、コンサルタントや会計を委託した場合の顧問料、医師会に加入した場合の会費、清掃業者を委託した場合の費用、各種保険料・・・等々、様々な支出が予想されます。クリニックの規模や先生の取り組みによって異なってはきますが、事業計画の性格上できるだけ多め多めに算出しておいた方が良いと思います。実際にはできるだけ支出は抑えたいところですのでその為の経営努力は必要になってきます。
これまでの内容を踏まえ、できるだけ具体的に数値化し収入と支出を表にすると判りやすくなると思います。あまり赤字が続くようなところであれば、借り入れは勿論無理ですし、その場所での開業を見直した方が良いでしょう。
また、充分な利益が算出できたとしても、そこから個人であれば所得税、法人であれば法人税が引かれる事を忘れてはいけません。
ただ、経営を厳しくみると言って人件費を削減したり、診療に必要な医療機器の導入を見送ったり、闇雲に広告宣伝費を抑えすぎたりする事は負の連鎖を引き起こす可能性がありますので、やりすぎは禁物です。
色々な値引き交渉もやりすぎると、業者や担当者も離れていってしまいますので、様々な有益な情報も入りにくくなってしまいます。完璧な事業計画を作成するより、その辺りの人間関係を上手にできる心掛けの方がよほど大切かもしれませんね。
コンサルタント 碇
【2007/09/30】

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