「9月1日」

9月になり少しは気温も落ち着いてきた…と書き出したかったのですが、まだまだ残暑は厳しいですね。暑さ寒さも彼岸まで。そんな表現も過去のものとなってしまいました…。

 

さて今回は9月1日の防災の日に絡めてのコラムとなります。先日のニュースで防災の日の由来を知らない方が半数近くいるとの調査結果が出ていました。20代では56%、30代では63%との事です。私はそれ以上の年代になりますが、1923年9月1日に発生した関東大震災が由来となり防災意識を高める為に設定された日で、子供の頃はサイレンが鳴ったら机の下に潜り、椅子の上の防災頭巾を被って校庭に避難して集団下校など防災訓練を行っておりました。地域的なものもあるかと思いますが、その都度未曾有の災害であった関東大震災について説明もありました。その教育が当然に感じていたので、今回の認知度の調査結果は正直驚きました。そんな話を知人にしたところ、知人も知らなかった事がわかり、さらに驚きましたが知人と私の2人で知っている、知らないで分かれるのですから半数が知らないと言うのも納得です。たしかに考えてみれば100年前の震災より、阪神淡路大震災、鳥取県西部地震、岩手宮城内陸地震、東日本大震災、熊本地震など近年に発生した地震の方が認知度も高くなります。もちろん過去の震災の教訓が廃れていく訳ではなく、その都度災害を教訓にして防災意識が高まっているとは思いますが、いつのころか防災の日の由来までは伝わらなくなっていたのだと感じます。災害に甲乙がある訳ではありませんし、被災者数や規模によって順位がある訳ではありませんが、9月1日の防災の日の意味を知って防災意識を高めて欲しいと感じます。いつかは半年に1回の防災訓練として3月11日も追加されてもいいかもしれません。建築の耐震基準の強化も消防設備の設置基準も過去にあった様々な事象を教訓に改善されています。何故そうなったかも含めて理解をし考えていきたいと思います。

 

前置きが長くなってしまったので本題は短めに。

地震が発生した際にビル入居のクリニックですとビル本体の被災状況によっては対策のとりようはないのですが、倒れやすい家具の固定や避難経路の確認や見直し、避難先や連絡系統の確認、備蓄物の確認など細かいところでクリニックのスタッフ皆さんで話し合い確認する事に意味があります。過去の表現となってしまった暑さ寒さも彼岸まで。時代は移ろい変化しますが、過去に発生した震災は教訓となります。9月を機会に一度防災意識を高めるようにしましょう。

 

クリニックの設計士屋さん

2023-08-31