内科の診察スペース(検査室)

今回は検査室についてのご説明になります。
■検査室
 検査室は一般的に心電計検査や内視鏡検査、エコー検査等、様々な検査を行う部屋になります。主には検査機器とベッドを配置して先生やスタッフが作業をできるスペースを設けた部屋になります。可能であれば複数の検査機器の設置や増設を想定したスペースを確保したいところです。検査機器の他にもモニターや器具ワゴン(カート)や器具棚の設置も必要になりますし、簡単な診察を行えるようにデスクがあっても良いでしょう。検査機器に接続する電源やLAN配線、電子カルテ用のLAN配線も必要になります。ベッドは上下の昇降が可能な電動処置台を設置されるクリニックが多いかと思います。電動処置台の廻りに検査機器が配置されますので、電源やLAN配線は作業の妨げにならないように、できれば床面に設置したいところです。配線スペースがなく、床面からの配線が不可の場合は天井や壁面に設置する事になりますが、検査機器が配線を踏まないように、患者様が配線を跨ぐ事の無いように計画しましょう。
また、胃腸科や消化器内科を専門に掲げるクリニックでは無い一般内科の場合、単独の検査室(個室)を設けずに、処置室の一部や予備診察室等でスペースを併用するケースが多くあります。実際一般外来の診察中には検査室を使用していないケースが多くなりますので、スペースの兼用の考えから検査室を設けずに診察室でエコー検査をおこなったり、処置室のベッドを点滴やリカバリースペースと内視鏡検査を併用して、他のスペースを有効に使用した方が面積使用効率は高くなります。ただし、下部の内視鏡検査を専門に行うクリニックの場合はやはり個別の検査室を設ける事が望ましくなります。患者様のプライバシーの確保や衛生面での管理が必要になります。その他にも検査の為の前処置スペースやリカバリースペース、検査衣に着替える更衣室、器具の洗浄を行う消毒室等も必要になります。上記のような検査を主として行う診療内容の場合は必要な診療設備として専門の検査スペースを充実させた方が、一般内科との差別化も図れ、クリニックのアピールにもなります。
 掲げる科目や診療内容、運営方針によってクリニック全体の面積や各スペースの割合が変わってきますので、物件検討の段階からじっくり検討していきましょう。

次回は受付やバックヤードについてのご説明を予定しています。

クリニックの設計士屋さん

2015-04-30