前回の続きになります。開業時の借り入れ金額を設定する上での必要使途計画についてですが、前回までにテナント出店関連資金、内装工事費について書きました。
次は購入する医療機器・什器備品について説明します。購入すると書いたのは高額な医療機器の場合、購入ではなくリースにする場合が多いからです。リースにつきましては別の機会に書きたいと思いますが、単体で10万円以下の機器はリース対象外になりますので、購入医療機器の枠に入ると思います。また、とにかく支払う金額を低く設定したいのであれば、購入医療機器の枠に医療機器も入れ、借り入れ限度額を超える部分についてリースで手当てする場合も多いようです。
購入した方がお得な物としてはレントゲン装置など、一度導入すれば買い換える可能性の低い物から順で、逆にリースにした方が良い物としては、サイズが小さくなる物、時間が短くなる物(例えばコンピュータ関連)等から順に入れた方が良いでしょう。
また、医療機器とは別にレジスターやコピー機・プリンター等の事務機器等も積み重なると意外と高額になりますので予算を取っておかなければなりません。什器備品とは待合のソファーや先生のデスク、診察台や棚、スタッフ用ロッカーといった物です。これらも広さにもよりますが、積み重なると高額になります。デスクやソファー・棚等は必ずしも医療専用の物でなくても良いと思います(医療と付くと割高な設定になっている物が多いようですので)。最近は通販のカタログでも掘り出し物が多いようですし、時間があれば家具屋に行って待合室のインテリアにこだわっても良いと思います。掃除用具やマット、傘立てなどの細かい物も必ず必要になりますのでお忘れなく。
次に宣伝広告費ですが、開院前に1度だけ許可されている折込チラシ、周辺の住民の方へ内覧会のお知らせも兼ねたクリニックの紹介カードのポスティング、このカードをある程度厚みのある高級感のある物にしておけば、捨てられる可能性も減少しますし、開院後受付カウンターに並べ医院案内にもなります。他には唯一公道に出せる広告として電柱広告、立地にもよりますがバスの放送や駅広告があります。また最近ではクリニックのホームページ作成もこの枠に入り、どこまで作り込むのか依頼するのか、またどのようなサイトに登録するか等によって金額が大きく異なりますので、ある程度、構想を練っておきましょう。また、スタッフの募集広告も開院前に必要になります。新規開業を全面に出す事によって集まりやすくなる傾向があったりしますので、内容を業者さんに任せきりではなく確認する事が必要です。
認知度の高いとても目立つ立地での開業の場合は、クリニックの看板をしっかり設置する事で、さほど広告が必要でない場合もあります。その辺りをしっかり見極め、出すところは出す、抑えるところは抑える感覚を身に付けておきたいところです。
コンサルタント碇
事業計画書の作成2
2007-05-31