「水害対策について」

9月になりますと台風が多くなり水害対策を考えた方が良い季節に…と書き出したいところでしたが、ここ近年は台風だけではなくゲリラ豪雨でも浸水などの水害が発生しております。7月、8月にも局地的なゲリラ豪雨が発生しておりました。1時間あたり100ミリを超える降水量の豪雨、落雷などが頻繁に発生しておりました。台風であれば数日前から事前に対策を行い準備を整えることもできるのですが、ゲリラ豪雨ではなかなか対策が難しくなります。その上以前の「夕立」のような強い雨ではなく、100ミリを超える降水量になりますと生命の危険を感じるほどの激しい雨になります。河川の氾濫や想定基本排水機能を超えてしまいマンホールから水が噴き出したり、地域ごと浸水してしまう事が多くありました。建築では地震や火災、積雪についての取り決めは多くありますが、水害については個々の建物での自主性に任せている部分が殆どになります。また地域の排水機能を超える雨量の場合は各建築物で水害対策を講じても対応できない場合もあります。以前のコラムでも記載しましたが、側溝など外部の排水溝や雨樋の掃除など詰まりの除去は基本となります。落雷対策として雷ガードなどの雷サージ・過電流対策も必要になります。急激に気圧が下がるとダウンバーストなど強風も発生しやすくなりますので、風害に対して窓ガラスなどの飛散防止シートも有効になります。10年前では過剰かと思われていた各被害の対策が必要になっているかと感じます。そして被害が発生した際の各種保険も損害をおさえる為には必要になりますので、一度保険内容についても見直ししても良いかと思います。また新規開院を検討されている方は物件選定の際に地域の水害対策や過去の水害状況の確認や封水板や主要設備(電気設備・変電室など)が地下に無いか、など建物としての水害対策が講じられているかも確認された方が良いでしょう。

 

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2024-08-31