「計画の変更について」

9月に入り暑さも少しは落ち着いてくるのでしょうか…。まだまだ暑くエアコンが手離せない日が続くのではないでしょうか。体力の低下に気をつけて乗り切っていきましょう。

 

さて今回は6月のコラムで残しておいた排水のトラブルについてです。6月の段階ではこんな事がありました、気をつけましょう…と言った内容の予定でしたが、8月末に書きたい内容が追加となりましたので、今月のコラムでいよいよ。

 

とある3階建の新築物件の1階にクリニックと薬局の計画がありお手伝いする事になりました。2階と3階もクリニックですが、建築本体の設計会社と施工会社がそのまま内装も設計と施工を行います。建築工事が始まる前から各階の設計を詰めて必要設備などの確認を行っておりました。建築の確認申請・工事着工となりました。建物の工事の順番として、1階を作業員の休憩所や資材置き場として使用する為、本体工事を進めつつ2階内装、3階内装となり、1階部分の内装工事は最後になる工程でした。いろいろと変更があったようで予定の工期から遅れてはいたのですが、1階の内装工事の着工となりました。はて、予定の位置に排水配管がありません…。これから配管を行うようにも見えません…。

 

なんということでしょう!

予算の関係で排水配管の位置や箇所を調整したと言うではありませんか!

その上、確認申請で1階の平面は提出している為、間取りの変更もできないと言うではありませんか!

…本来であれば予定通りの排水配管に是正となるのですが、1階の床(土間)下での配管の為、配管をやり直す事ができません。本体の設計会社は一部床を上げて配管を振ってくれと言いますが、クリニック内で段差は容認できるものではありません。結果として平面計画を多少変更、一部の流し台の配管はポンプを利用する事でクリニックとしては成立しました。確認申請の変更も必要になりますが、本体設計会社に対応させました。6月の段階ではこのような状況で、建築の本体設計会社や施工会社を信用せずに、建築途中に状況確認、計画を変更する際の報告の徹底、変更した場合に発生する費用の負担などをしっかりと確認しなければいけないと言うコラムでした。建築工事と同時に進める場合や医療モール計画の場合はさまざまな理由で変更が発生する事があります。気をつけましょう。

 

…さて、その後の追加内容をさらっと。

1階で発生した排水配管の問題と同様に2階や3階でも排水配管の変更があり、床上げで対応する計画だったようです。もちろん段差を設けることは認められず、1階の天井裏で配管を行う事になりました。もともと9月開院、7月末には完成の予定でした。1階の天井裏を配管したいと相談を受けた段階で1階の天井はほぼ完成しており、仕上材を貼る前の状態でしたが一部天井をばらして配管を行いました。なんとかできたから良かったですが、仕上まで進んでいた場合は修繕に日数と費用が大きくかかるところでした。その他もいろいろと変更ややり直しがあったようで2・3階のクリニックはまだ完成していない状態で医療機器の搬入、バタバタと工事している状態でのスタッフ準備でした。クリニックの方も職人さんもみんなが作業しづらく誰も得をしない状況でした。

平面や設備計画の変更の責任の確認も大事ですが、スケジュールが変更になる事もさまざまな影響が発生します。この場合も誰に責任があるか、保障はどうなるかなどを事前に確認しておきましょう。

 

なんとか9月1日開院を迎えられました…の夜に2階から漏水が発生して2階のトイレは使用中止になっております。1階の天井も範囲は狭いですが濡れてしまいました。本体施工会社で対応しておりますが、是正完了までしっかりと監視したいと思います…。

 

9月に入ると台風も多くなります。外部の排水溝などの掃除などお気をつけ下さい。

 

クリニックの設計士屋さん

2025-08-31