「建築費用の変化について」

おかげさまでほどほどのヒリヒリした10月ですみました。このまま年末にむけて何事もなく過ごしたいところです。

 

今回は建築の費用についてです。建築業界ではここ10年で建築費が大幅に上がっております。大事な事なのでもう一度。建築費が上がっております。原因としては資材価格や人件費、運搬費用などが上がり、総費用が上がっている状況です。もちろん10年以上前も同様に細かく材料費用は上がっていたのですが、多くの会社は建築費に影響しないよういろいろな企業努力をしていました。ただ一部の会社は元請けの利益は下げずに下請け業者を値切る、作業員や社員にサービス残業を強いるなどの方法を企業努力としていました。もちろんそのような会社は不安定であり長続きしないものなのですが、憎まれっ子は世に憚る…3Kと言われた建築業界ではそういうものだ的な慣習はありました。現在ではそのような企業努力でも吸収できないくらい原価が上がっているのと、働き方改革や下請け業者の保護も進み、最終的な建築費が上がっている状態です。働いている側としては正しい状態になったとは思いますが、支払う側としては費用をおさえたいのが本音です。建築費が上がった事により都内のマンションは1億円以上、戸建ても50年ローン…。若い世代にはなかなか手が出せないマイホームとなっているかと思います。

住居と同様にクリニックの内装費用も上がっております。内装費用を面積で割った坪単価ですと以前は50万/坪と言われていましたが、現在では60〜80万/坪で提案している会社が多いでしょうか。もちろん入居前の状態からクリニックとして完成するまでの工事費ですので、入居前の状況やどのようなクリニック内装かによっても坪単価は変わってきます。以前のコラムでも説明しましたが空調冷媒ガス変更に伴う必要機器も費用がかかり、今後も少しずつですが建築費用は上がり続ける見込みです。

クリニック開業に向けて予算が潤沢にあるわけではありませんので請負う設計会社も施工会社も内装費用をどのくらいが想定なのか、物件の状態で利用できるものはあるか、設計によって費用は下げられるか、施工方法で余分に費用はかかっていないか…などをクリニック側の立場で検討しなければいけません。内装費用に加えて、医療機器、人件費、家賃などと収入のバランスを考えて事業計画をたてる必要があります。しっかりと相談できるコンサル会社や設計会社、施工会社と検討していきましょう。

 

つい先日まで暑い暑いと言っていましたが、気がつけば上着が必要なくらい寒くなってきました。朝晩と昼間の温度差もありますから体調を崩さないようにお気をつけ下さい。

2025-10-30