今回からは眼科クリニックの各スペースについて説明させて頂こうと思います。
■待合室・受付
・待合室や受付については他の診療科目と大きく異なる部分はありません。患者様やスタッフの人数、受付の機器の配置、待合室の管理を含めて広さを設定しましょう。
※手術を行う場合は付き添いの方の待合スペースも必要になります。曜日や時間を決めて一般外来と分ける場合は待合室を併用できます。
■検査室(明室)
・他の診療科目とは異なり、眼科は診察の前に眼の状態を調べる検査が必要となります。主には眼の機能測定や視力測定となり、測定後に診察室に向かいます。
・ここでの眼の検査は明室(明るい部屋)で行い、検査機器を使用してスタッフが行います。眼圧や屈折状態を測定するオートレフケラトメーター等は約45㎝×45㎝の台に乗せてスタッフと患者様が対面に座り検査を行います。
機器を並列に配置して患者様の移動をスムーズにしたり、L型に配置して患者様が回転して機器に向かう等(スタッフの移動距離は長くなりますが…)、動きやスペースに合わせて配置を計画しましょう。
・視力検査は一般的に遠見視力の測定となります。測定距離は5m、3m、1mのタイプがあります。ひと昔前は5mタイプの視力表を並べていましたが、スペースを必要とする為、近年では1mタイプ(セービングチャート)を導入して5mと1mでの測定を併用するクリニックが増えています。
患者様をお待たせさせないように同時に何名の検査を行うかを検討して機器の台数、スタッフの人数を設定しましょう。
・検査前にコンタクトレンズを外せるように検査室にはコンタクト脱着のコーナーを設けた方がいいでしょう。こちらについては次回以降のフィッティングコーナーで設定致します。
・その他レンズメーターやレンズセット等、色々な機器が検査室には必要となります。クリニックの中で待合室と並び広い空間になります。今後の診療内容の拡張に伴う機器の増設は検査室(明室、暗室)や診察室に導入する事がほとんどです。将来的な拡張も検討してできるだけ余裕を持ってスペースを設定しましょう。
・そして眼科機器はコンセントが必要なものがほとんどです。こちらもスペースと合わせて将来的な拡張も検討してコンセント、LAN配置も設定しましょう。
ただし、前述したように眼科機器は台に乗せてスタッフと患者様が向かい合う為、壁沿いではなく、部屋の中央部分に配置する事が多くなります。可能であれば床下での配線計画とし、床面から飛び出さないタイプのコンセントが良いでしょう。物件の状況により床下での配線計画が難しい場合は壁面からの配線となりますが、動線を確認して患者様の通らない経路としましょう。
今回は検査室(明室)の説明でした。次回は診察室、検査室(暗室)の予定です。
さて、今年ももう2月ですね。本年も皆様にとって大切な一年となりますように。
引き続きお目汚し失礼致します。もう少しお付き合い頂けますと幸いです。宜しくお願い申し上げます。
クリニックの設計士屋さん
眼科 検査室(明室)
2016-01-31