今月も連載を一休みして感染症対策についてになります。世間的には一時期よりコロナも落ち着いた雰囲気になりウィズコロナやアフターコロナと言う単語も出ておりますが、東京都の一日の感染者数はまだ200人前後となっており、引き続き気をつけて行動しなければと感じております。
さて、今回は助成金を利用した感染症対策の考え方についてになります。助成金の内容や金額が発表されてからクリニックや薬局からの問い合わせや相談が増えております。多くは飛沫感染防止用のアクリル板やビニールシート設置や発熱患者の隔離スペース検討になります。その他では空気清浄機能付のエアコンや換気機能付のエアコン、クリニックの換気設備の強化、窓を開けて換気を行う際の網戸の設置などの相談が多くあります。そんな中で注意点として今回の助成金の申請が1回のみと言う事があります。現状では今後の状況によって追加で対策をとる為の費用の申請が認められないと言う事になります。多くのクリニックでは先に記載しました感染症対策として工事が必要な設備変更や強化、消毒液の購入費用を申請する予定と考えておりますが、1回の申請ですとどこまで対策をとるかの判断が難しく必要以上の対策まで検討するクリニックもあります。助成金が使えるから、ではなくあくまでも必要な対策を工事会社や設計会社に相談して判断しましょう。また、助成金を利用して感染症対策とは趣旨の異なる工事を依頼される事もあります。壁紙の貼り替えやソファーの交換、TVの購入なども含めて申請したいと言う相談です。対策の項目を曖昧にすれば申請はできるかと思います。クリニックによって事情もある事もわかります。ですが正直なところ積極的にお手伝いはしたくはありません。この先のコロナ対策が不透明な現状では今後のコロナ対策助成を圧迫する可能性があるからです。現段階でのコロナ対策としての設備強化費用としてお考え頂ければと思います。今回の一時期的な対策ではなく、状況によって変化する中長期の対策として考える事がウィズコロナに繋がると思います。
クリニックの設計士屋さん