今回は医療機器の選定について書きたいと思います。
日進月歩の勢いで次々と新しい技術や製品が出てくる医療機器ですが、ホイホイと買い換える事ができる程安価ではない医療機器の選定は開業時に頭を悩ませる大きな懸案事項のひとつとなっています。
我々コンサルタントとしましても、診療内容に大きく関わってくる項目になりますので、今ひとつ踏み込んだアドバイスがしにくい項目のひとつでもあります。
自己資金が潤沢にある開業であれば別ですが、借り入れやリースでその費用を捻出するのであれば(ほとんどの場合がそうなのですが)、後々に経営上の固定費として圧し掛かってきますので、しっかり見極めなければなりません。
そこで基本的な事なのですが、まずは先生のクリニックにとって本当に最初から必要な物なのか優先順位をつけて考えておく事が大切だと思います。
業者さんとの打ち合わせに同席させて頂く機会も多いのですが、「当然これは入れておかないと」「最近の開業ではこれは必須です」などの営業トークに乗せられてしまう先生方も少なくありません。
相手もプロの営業マンですので、自社の製品を売る為には形振り構わない攻勢で追いかけてきます。
優先順位をつけていくポイントとしましては、どうしても最初から揃っていないといけない物かどうか。実際に開業して確かに需要があり、充分にペイする事が判ってからの導入でも良い機器であれば、そうした方が良いと思います。メリットとしては3ヶ月遅れて入ってくる診療報酬の実際の収入を見ながら固定費を増やせるかどうかの見極めができる事です。デメリットとしては最初の宣伝に使えないという事でしょうか。
次に中古品に良い物がないか押さえておきたいところです。当然業者さんは中古品なんてとバカにしたような事を言いますが、実際に中古機器市場を除くと、ほぼ新品同様の医療機器が半値に近い(それ以上もあります)金額で売買されている現実もあります。多少ひねくれた事を言うと事情は色々あるでしょうが、新品同様の機械が中古市場に出回るような供給をしていると言えなくもありません。先生が購入した医療機器がすぐにこの市場に出回らない事を祈るばかりです。メリットとしましては、その価格パフォーマンスに尽きます。デメリットとしましては基本的にリースが組めない。補償がつかない等があげられますが一見の価値はあると思います。
最後に相見積りを取って業者さんの比較検討をしたいところです。先生が購入しようとしている業者さんが価格も含めて、アフターメンテナンスや評判の良いところかどうかを勢いだけでなく、冷静に判断しなければなりません。
今回はずいぶん業者さんに対して批判的なコラムになってしまい、知っている業者さんにはあまり読まれたくない気持ちもありますが、長く付き合える良い業者さんもたくさんあります(フォローになっているでしょうか)。
手間と時間の掛かる事ですので面倒だと思いますが、後々後悔しないようしっかりと見極めたいところです。
コンサルタント碇
医療機器の選定
2008-06-30