「季節の変わり目」

昨日は寒かったのに今日は温かい。そんな時期になりましたね。桜の開花のニュースに春を感じますが、同時に花粉のニュースにやきもきします。気温差などで体調を崩しやすい時期ですので、みなさんもお気を付けてお過ごしください。

さて、今回のコラムはエアコンの小話になります。

戸建などでエアコンの室外機の設置場所に余裕があるクリニックの場合は、室内機と室外機が1台ずつのエアコンが設置でき、冷房運転や暖房運転を自由に選択ができる空調管理となりますが、商業施設やオフィスビルのテナントとして入居するクリニックの場合、室外機の設置場所や範囲に制限があり、1台の室外機で複数の室内機を運転させるビルマルチタイプのエアコンの設置となる場合が多くなります。その場合室内親機を暖房運転にする場合はその他の室内機も暖房運転か送風のみとなり冷房運転ができなくなります。室内親機が冷房運転の場合はその他の室内機は冷房運転か送風かドライ運転となります。もちろんそれぞれの室内機にはリモコンを設置できますので、それぞれでオンオフ、温度設定はできます。四季の中で真冬や真夏、真春(?)や真秋(⁇)ですとそれぞれの部屋で暖房や冷房運転は揃うと思いますが、冬から春、春なのに夏日…など季節の変わり目の時期ですと待合室は暖房だけれど診察室は冷房にしたいなどの要望も出てきます。ビルマルチタイプのエアコンの場合は使い分けができませんので、暖房運転と送風、暖房運転と停止などで対応するかたちとなります。暑く感じる部屋にサーキュレーターなどで空気を動かして滞留をなくすのも有効な手段となります。空調設備と換気設備を併せてご使用ください。

複数の医師が勤務する場合などはビルマルチタイプのエアコンでも2セットにすることをお勧めします。特にメンタルクリニックなど各診察室を天井まで区画する事が多い科目で複数の医師が同時に診察を行う場合は部屋ごとに運転を切り替える要望が多くあります。また、その他の科目でも2セットにすることにより故障の際に対応しやすくなります。診察室1のエアコンが故障していても診察室2は使用できるなど、故障時に診察への影響を少なくできます。もちろん室外機の設置条件にもよりますが、可能であれば入居前に建物側に交渉した方が良いでしょう。

次回のコラムの際にはもう桜が咲いて散っているでしょうか。寒すぎるのも暑すぎるのも苦手ですので、春らしい気候が長く続くことを願います。

 

クリニックの設計士屋さん

2025-02-28