今回は順調に話が進み、継承時にかかわってくる役所の手続きについて書きたいと思います。
医院継承の一番のメリットは何と言っても患者さんがある程度ついた状態でスタートが切れる事にありますが、役所の手続きを間違って1ヶ月間保険診療ができない!って事にならないよう充分に注意が必要です。
個人の医院を個人が継承する事を前提にしますと、医院継承と言いましても開設者・管理者が代わるという事は手続き的には医院の廃止→開設という流れになります。
まずは保健所の方に廃止届、開設届を提出します。こちらは届出事業ですので各々廃止、開設してから10日以内に提出する。という事になっておりますが、その後の保険診療をする為の厚生局への指定申請の提出の兼ね合いから、開設届の副本や証明書をすみやかに貰える様、担当官と事前に手順や流れなどを確認しておく事をお勧めします。
レントゲン機器のある医院を継承する場合は機器をそのまま使用する場合にも、エックス線の廃止届→備え付け届が必要となり、比較的新しいレントゲンであっても再度、線量測定の証明が必要になりますので、事前に依頼して手元に届くよう段取りをしておかなければなりません。
廃止・開設届を提出し、無事に副本か証明書を受理できれば次に厚生局へ保険診療をする為の指定申請を提出する事になります。注意点としましては保険医の登録が他府県になっている場合は事前に管轄の厚生局へ変更の手続きをとっておく必要があります。
また保険診療を継続して行う為に指定申請の中に遡及の有無という項目があり重要なポイントとなります。これは地域によっては提出から1ヶ月以上要する保険医療機関の登録を特別な事情と患者さんの保険診療を継続して行う事ができるようにするという名目で未登録の状態であっても保険診療として遡って請求できるという医院継承の肝となる大事な項目となります。
特別な事情として他にも近所への移転の時などでも同じような手続きが必要となります。こちらの場合は移転先の距離(原則2km以内)などによって認められないケースもありますので事前の確認が不可欠です。
継承の時期が選べるようであれば月の途中の切り替えだと保険請求が2箇所からとなり、多少面倒ですので月末月初での継承がお勧めです。
これらはあくまでも社保と国保の手続きになりますので、医院で他に生活保護などの指定や夜間早朝等加算や明細書発行体制等加算などの施設基準をとる場合は保険医療機関コードが出た後に手続きが必要になりますので事前に管轄の窓口に対処方法を確認しておいた方が良いと思います。
今回は一般的な流れを書きましたが、地域の保健所や厚生局によって立ち入り検査に来る来ない、多少のスケジュールのズレ、必要書類の免除などありますので、事前に確認をして充分に準備したいところです。
コンサルタント碇
医院継承について3
2010-08-31