面接の受付について

以前のコラムの中でも面接の受付について触れておりますが、今回は少し詳しく書きたいと思います。
受付は面接を円滑に進めるために、来訪した応募者の応対を行うのが主な仕事になります。
ただ、限られた時間の中で行われる面接で、受付以上の役に立てればと思い、私の場合は下記のことを実践しております。
まず応募者の多くが緊張をして面接に望んで来られます。緊張の空気が瞬時に伝わる方や、一見すると分からない方などさまざまですが、より良く評価してもらおうと意識をすれば当然のことだと思います。
緊張で本来の自分らしさが出せずに、落ち込んで帰られる方を何度か目にしたこともあります。
逆に本来の姿が面接では見られず、実際に働いてみると印象が変わったという話を耳にすることもあります。
私も自分の本性を隠せたことで、今日コラムを書ける立場になったのですから、あまり悪くは言えないのですが・・・
そこで受付でリラックスをしてもらい、面接では素の自分を少しでも出してもらう工夫をしております。
例えば親しみのある言葉遣いで「面接会場がすぐにお分かりになられましたか」や「近所の皆さんはどこのスーパーに買い物へ行かれるのですか」など、緊張が和らいでもらえるように相手から話しやすいムードを作ったりもします。
周辺の人口構成や学校など街の状況を聞くことで、面接とは別に開業後に参考になる情報も入ってきたりもします。
中には話を掛けても返事をしてくれない方も稀にいますが、反対に積極的な方もいて、なかなか話を終えられず面接官にご迷惑をお掛けすることもしばしばあります。
先日、面接のお手伝いをした先生は、かご一杯のお菓子を用意して頂いたので、緊張を和らぐきっかけ作りにお菓子を出して選んでもらったりもしました。
しかし、緊張をほぐすだけでコミュニケーションを取るのは、貴重な時間が勿体無いものです。
応募者も受付で色々と聞いてくるので、これも評価対象のひとつだと考えている人もいるかと思いますが、受付での会話は日常に近い会話になりますので、面接とは違った評価になると思います。
例えば受付用に評価表を用意し、「会話のキャッチボールの中で相手を思いやる返答になっている」「自分主体で好き勝手に話を進めている」「話題を探して振ってくれた」などとコメントを残しておけば、選考基準の手助けになるのではないでしょうか。
そのほかにも、「きちんと挨拶をしたか」「ドアノックをしたか」「靴を揃えたか」などの行動や、後で面接官がどのような印象の人か思い出せるように服装や印象、声音の高低など、その人の特徴を書いておくのも参考になるでしょう。
最後に、面接の受付で出会った応募者とこれから出会う応募者が、このコラムを読んでいないことを願っております。
コンサルタント吉岡

2010-11-30