今年も12月になりました。師走のとおり年末に向け慌ただしく過ごしております。皆様もお忙しい中拙いコラムにお付き合い頂きまして本当にありがとうございます。この一年を振り返りまして今年のコラムの締めとさせて頂ければとおもいます。
今年の、と言うよりは今年もかも知れませんが、建築業界もやはり一年を通してコロナ感染症の影響が大きくありました。去年は感染症対策関連でパーティションなどの区画、換気設備の強化などの依頼が多くありましたが、今年は純粋なコロナ対策工事の依頼は多くはありませんでした。強いて言えばオンライン資格やWeb診察に向けてのネット関係の強化の相談が以前より増えましたでしょうか?コロナ感染症の個々の対策がとられるようになった点とワクチン接種の普及、未知の感染症への恐怖心が薄れてきた点も要因としてありますでしょうか。
建築業界だけではありませんが、やはり影響を大きく感じられたのは物価の上昇になります。一般家庭でも食料品や電気代などの上昇が問題となっておりますが、建築業界にも如実に影響は発生しております。建築部材の価格上昇に加え、ガソリン代、光熱費の上昇は確実に工事費用に影響を及ぼしております。以前から内装工事費の目安を坪単価として表現しておりますが、コロナ禍以前よりは10〜30%程度の必要費用が上がっております。食料品のようにお値段据え置きで容量を減らすなどができない業界になりますので、物価の上昇の影響がそのまま現れる事になります。お値段据え置きで鉄筋の本数を少なくしたりする施工もかなり以前に問題となりましたが、それは企業努力とは言いませんからね。価格上昇している現状では各業種が工夫をしたりしていますが吸収できる範囲ではなく、内装工事費用の総額に影響が出ております。極端な話、同じものを作っても一昨年より費用がかかってしまいます。もちろん案件ごとにしっかりとご説明してご納得頂くようにしておりますが、なかなか難しい立場にあります。できれば事業計画書作時にある程度物価の上昇を見込んで予算組みをして頂けると余裕ができると思います。
今年を振り返ってのコラムが少し暗い内容になり申し訳ありませんでした。来年の今頃は明るいコラムになる事を願い、今年の締めとさせて頂きます。
気温も下がり体調を崩しやすい気候となりましたが、明るい年を迎えられるよう、もう一息頑張りましょう。
クリニックの設計士屋さん