さすがに10月になりますと気温も落ち着いてきて過ごしやすい気候になりました。ついこの間までの夏日、真夏日と比べると10℃以上も気温が下がりますので、それはそれで体調を崩されないようにお気をつけ下さい。
さて、今年の夏は気温もさることながら湿度も高く不快な日が続きました。クリニックの空調に関してもほぼフル稼働していたかと思います。そんな中で今年は空調機のドレンに関わるトラブルの連絡が多くありました。
運転時に空調機から水が垂れてくる、エラーが発生して運転が止まってしまうなどの連絡でした。そのほとんどはドレン異常が原因でした。冷房やドライ運転時には排水は発生するのですが、空調機内で排出が正常に行われないと、排水が溢れてしまったり運転が停止してしまいます。正常な状態ですと空調機内部のドレンパン(排水の受け皿)に水が貯まり、ドレンポンプで排水を汲み上げてドレン配管に排出するのですが、ドレンパン内のホコリ、カビの発生などで排水自体がスライム状になってしまいドレンポンプが汲み上げる前に溢れてしまったりドレンポンプやドレン配管が詰まってしまったりしてしまいます。一度エラーが発生すると排水が自然に抜けるか業者やメーカーのメンテナンスが必要となりますが、この時期は業者もメーカーも同様の連絡が入り直ぐには動けない事が多いです。クリニックですと診察時間以外(昼休み、休診日)での作業となる為、さらに業者とのの予定調整が難しくなります。基本は使いたい時に使いたいのが空調機ですので、数日でも使えなくなりますとかなり不便になってしまいます。そうならないとは言えませんが、そうなりにくいようにクリニックでもメンテナンスを行い、対策をとっておくようにしましょう。
空調機の基本的なメンテナンスはフィルターの清掃になります。空調機は室内の空気を循環させますので空気中のホコリやウイルスを吸い込みます。フィルターにホコリなどが溜まると運転効率が落ちたり本体やアルミフィンにホコリが入ってしまいます。本体やアルミフィンにホコリなどが付着するとドレンと混ざってしまい、ドレンパンが汚れてしまったり先述のように不具合が発生してしまいます。空調機の設置環境にもよりますが、コロナの関係で換気を強化して外気を取り込みようになり、空調機のホコリの吸い込みが増加している状況ですので、1ヵ月に1回は清掃を行った方が良いでしょう。また、業者やメーカーが行うドレンパンの清掃やアルミフィンの清掃も年1回は行いたいところです。冷房運転の始まる6月より前、5月の連休あたりでしょうか。冷房運転開始前に一度本体のメンテナンスを行い、使用時にトラブルが発生しにくい状態にしましょう。ただ業者が行う清掃作業は費用がかかりますので、空調機の設置環境やメンテナンス時の汚れの状況によって期間は業者と相談した方が良いですが、クリニックの維持管理メンテナンス費として定期的な支出を考えて頂ければと思います。年々夏の気温が暑くなっておりますので使いたい時に使えない状況になりにくいように考えていきましょう。
クリニックの設計士屋さん