7月になり暑い日が続いております。外出中に空調の効いた店舗などに入るたびに空調機のありがたさを感じ、室内と屋外の出入りを繰り返している間に整いそうになる今日この頃。皆様も体調を崩されないようお気をつけ下さい。
さて冒頭で述べたように一年中、とくに冬や夏には空調機は欠かせないものとなっております。今回はそんな空調機の法令の変更についてになります。
空調機は冷媒ガスを循環させて冷房や暖房運転を行います。従来の冷媒ガスはR410Aという種類だったのですが、2025年4月よりフロン排出抑制や省エネの一環として業務用エアコンの一部で冷媒ガスに制限が設けられ、新冷媒R32を使用することになりました。新冷媒R32は従来の冷媒R410Aと比較すると地球温暖化係数が約3分の1となり、環境影響度の目的達成度が高くなります。現段階では業務用の空調機の一部のみの制限ですが、今後空調機を設置する場合は新基準の製品に変わっていくでしょう。
ただ新冷媒R32は微燃性の為、安全対策が義務付けられております。空調機それぞれに冷媒漏れを感知する警報器や緊急時にガスを止める遮断弁などの設置が必要となります。室外機の設置場所にも広さ(周囲の開放程度)の確認が必要となります。また、設置後のメンテナンスも必要になり、1年点検や5年毎にパーツの交換も必要となります。もちろん機器やメンテナンスの費用もかかります。環境にやさしいけれども財布にやさしくない…。環境の為には仕方がないことと受け入れるしかない法令です…。
とはいえ、5月から施行された法令ですので全ての空調機が制限される訳ではなく、いまのところ、業務用の空調機の一部となっております。空調機本体と配管を新しく設置する場合で部屋の広さや換気設備の有無などの条件を確認して遮断弁などの設置を検証します。既存空調機の交換や建物側に配管が準備されている場合には適応の必要はありません。もちろん今後数年後には基準は厳しくなりますので、今の段階で空調機を交換する場合でも遮断弁の設置も検討した方が良いでしょう。このあたりは設計や施工の業者にメリットデメリットを説明してもらいましょう。
日本の夏がだんだんと長く暑く湿気もあり過ごしにくくなっております。天井の断熱材や換気、トイレにもエアコン、一般換気ではなくロスナイの設置などいろいろと環境にあわせて検討しなければいけませんね。
今年も半分が終わりました。いつの間に…。後半も変わりなくコラムをお届けしたいと思います。
クリニックの設計士屋さん