内科について③(トイレ

今回は内科トイレについてご説明したいと思います。
(お食事中の方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。)

①どの科目にも共通する事ですが、トイレは患者様用と職員用は別々に設けたいところです。
待合室面する場所に患者様用、診察室側に職員用トイレが望ましいです。ただし、設備(排水配管) やスペースによっては共用とする場合もあります。その際は前室や共用通路を設けたりして、職員が 患者様の目にあまり触れないで入室できるように配慮する事をお勧め致します。ちなみに共用のトイ レとする場合は職員が使用した際にトイレ内が清潔か、ペーパー等の備品が不足していないかの管理 もしやすくなるメリットもあるという考え方もできます。

②患者様用のトイレですが、まずは車イスの患者様も使用できるバリアフリートイレの検討が必要になります。以前にも書かせて頂きましたが、一般的には車イスが回転できるバリアフリートイレ場合、おおよそ2m×2m の広さが必要になります。物件の条件や地域性、来院頂く患者様層によってはもう少し狭くして補助を行いながら「車イスの患者様も使用できるトイレ」でも良いかと思います。その他(こちらもスペースによりますが)車イスの患者様も使用できるトイレとは別に一般の広さのトイレも設けたいところです。患者様のトイレが2ヶ所ありますと、男女別や検尿用等での使い分けも可能になります。 どちらのトイレに関してもご高齢の患者様も考慮して、手摺等を設ける点も大切な事になります。

③さて、トイレの空間ではなく、トイレ(便器)自体のお話です。
洗浄便座にするか一般的な暖房便座を検討しましょう。ご家庭では洗浄便座を使用していても外出先 では使用しない方の方が多いのではないでしょうか?メーカーによればノズル部分は汚れが付着しに くく、使用時には自動洗浄も行うとの事ですが、やはり外出先の洗浄便座はあまり清潔なイメージは無いかと思います。便座裏も汚れる事がありますので、職員の方の清掃も大変になる場合もあります。
下部の内視鏡検査や肛門科を掲げる場合を除き、導入には洗浄便座の必要性を検討した方が良いかと思います。 洗浄便座に対して否定的なご説明となってしまいましたが、もちろんメリットもあります。洗浄便座の場合、「流す」操作はタンク横のレバーではなく、洗浄の操作パネルに付随している事がほとんどです。用を足しながら振り向いて流す、その後に腰を屈めて流すという行動がなくなります。ちなみに一般のタンク横のレバーにもリモコンで操作するオプションもありますので合わせてご検討下さい。(メーカーの営業ではありませんが・・・) メーカーにもよりますが、タンクレスの便器の場合は 「洗浄便座一体型便器」が正式名称となりますので洗浄機能はセットとなります。タンクレスの場合は見た目もスタイリッシュな空間となりますが、タンク型と比べて必要な水圧が高めの器具がほとんどです。配管の詰まりの原因となる場合もありますので導入を検討される際は事前にご確認下さいますよう、お願い申し上げます。(メーカーの営業ではありませんよ?)
患者様のトイレは一般的な暖房便座、職員用は洗浄便座にしているクリニックもあります。導入の際は必要性について検討しましょう。
トイレ内に設置する手洗器についてです。手洗器は手をかざすと水が出る自動水栓タイプが標準かと 思います。温水を導入するかはコストの面もありますのでこちらも必要性について検討しましょう。

今回はここまでにしたと思います。トイレのご説明だけで長くなってしまいますが、次回も「内科 について④(トイレ)」になります。 今年ももう12月ですね。皆様はどのような一年をお過ごしになられましたでしょうか?個人的にはこのような機会を頂いて楽しくコラムを書かさせて頂きました。(トイレのご説明で年をまたぐ事になってしまいますが・・・?)
来年も皆様にとって良き一年になりますようにお祈り申し上げます。

クリニックの設計士屋さん

2014-11-30