「改装工事のコト(追記)」

現在クリニックで診察をされていて、夏の長期休みの期間に改装工事を検討されている方はいらっしゃいますでしょうか?今月は改装工事の注意点についてです。以前も改装工事のコンセプトや注意点について述べさせて頂きましたが、今回はどちらかというと設計というよりはクリニックにスタッフ・施工業者としての観点からとなります。
■ スタッフ
前日まで診察を行い、休診期間中に改装工事を完了させて、完了後にはまた診察を始めなければいけません。改装の内容にもよりますが、以前の配置や使い勝手と異なる場合、スタッフ全員で変更部分をしっかりと把握して診察開始時に戸惑う事の無いようにしましょう。できれば工事完了日から診察開始日の間に予備日を設けて、配置や動きの確認やシュミレーション、医療機器の動作確認を行う事が望ましいと思います。もし、トラブルが発生しても診察開始前に対応できるように設計者、施工業者、医療機器メーカーとも連携をとれるようにしておきましょう。
■ 施工業者
新規の内装工事と比べて、既存のクリニックの改装工事は注意する点が多々あります。
①設計図からの変更
改装工事の場合、解体してみないとわからない部分が少なからずあります。短期間の改装工事ですので、予定の設計図からの変更が必要な場合は早急に設計者やクリニックに確認して対策を検討しましょう。変更内容についての承認、発生する場合は費用の確認も行いましょう。
可能であれば、改装工事前に事前調査を行う方が良いでしょう。
②養生について
今まで診察されていたクリニックですから、医療機器はもちろん、パソコンやコピーなどの機器、収納棚や備品などもたくさんクリニックの中にはあります。改装工事は造作物の変更や仕上材の変更だけが工事ではなく、完了後にスタッフがストレス無く使用できる状態にするまでが施工となります。変更部分はきれいにできていても、備品の場所がわからない、パソコンがホコリまみれとなってしまっては診察に支障が出てしまいます。備品の移動には細心の注意をはらい、養生(カバー)についても過度なくらい行いましょう。施工後にクリーニングを入れるから…という考えではなく、クリニックを自分の家のように意識して作業を行いましょう。
短期間の改装工事は施工業者はもちろんですが、スタッフや設計者も常に状況を把握しておく事が大切です。工事前、工事中、工事後もしっかりと連携をとり、皆さんが行って良かったと感じられる改装工事にしましょう。
クリニックの設計士屋さん

2017-05-31