今回も設備トラブルについてです。
■エアコンに関するトラブル
〈ケース① 動かない〉
昨日まで使用していたエアコンが動かなくなってしまった場合、やはり電気系の不具合が考えられます。エアコン本体に電気系の不具合がある場合は分電盤のブレーカーが漏電防止の為に下がります。まずはブレーカーが下がっていないかを確認しましょう。下がっていた場合は施工業者に確認をしながらブレーカーを上げてエアコンの動作確認をしましょう。再度ブレーカーが下がる場合はやはり電気系の不具合が考えられますので、使用をやめて業者に点検してもらいましょう。再度下がらなかった場合でも念のため業者に見てもらった方がいいでしょう。
なお、エアコンの電源には2つの種類があります。業務用の動力電源と、一般コンセント等の電灯電源です。電灯電源の場合は、一般コンセントと同じ分電盤にブレーカーがありますが、動力電源の場合は別の分電盤になっている事が多くあります。しかもクリニック内ではなく、室外機が設置されている外部に分電盤がある事もあります。事前にエアコンの電源の種類や分電盤の位置を確認しておきましょう。
〈ケース② 冷房・暖房が選択できない〉
季節の変わり目によくお問合わせがあるトラブルです。エアコンを暖房運転にしたいが、冷房か送風しか切り替えができない。またはその逆の状況です。この場合、マルチタイプのエアコンを設置してある事が考えられます。通常エアコンの風が出る室内機1台に対して外部に置く室外機は1台となるのですが、設置スペースの問題や施工コスト等の問題で複数の室内機を1台の室外機でまかなうマルチタイプのエアコンを設置する事が多々あります。複数の室内機ですが、それぞれオンオフ、温度設定も可能なので使い勝手としては通常のエアコンと変わりません。ですが室外機が1台の為、冷房運転の場合は全台冷房か送風、暖房運転の場合は暖房か送風のみというように冷房と暖房を混ぜて使用する事はできません。どちらかのエアコンのリモコンが親機となっていて冷房か暖房の設定ができるようになっています。一般的には子機のリモコンには「冷暖房選択権無し」等のメッセージが表示されます。こちらも設置されているエアコンの種類や親機リモコンの位置を把握しておきましょう。
エアコンのトラブルは機械的な要素が多いのですが、知らない基本仕様もあります。施工業者によく確認しましょう。またリモコンにエラーコードが出る事もあります。説明書にもエラーコード一覧が記載されていますので、一度確認した上で施工業者に連絡をするとスムーズに対応できるかと思います。また、フィルターの清掃も行うようにしましょう。清掃を行わないとエアコンの効力の低下や消費電力の増加、エアコン本体への負荷増加等いい事がありません。定期的に清掃を行いましょう。
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