今年も桜が満開になりました。寒さが落ち着いたらと思ったらあっという間に咲きましたね。春だなぁと季節を感じる今日この頃です。さて、日本は季節によって環境が変化します。気温や湿度、日差しなどもそうですね。環境の変化によって造作物も影響を受けます。今回は影響を受けやすい製品についてになります。
以前と比べ建物の気密性が高くなり空調の効率もあがり、外部の気温の影響は少なくなりました。ですが乾燥している時期、ジメジメとした時期など、湿度に関しては室内でも影響があり、とくに木製の製品については影響を受けやすいと言えます。クリニックの中で木製の製品は建具や家具があげられます。木部の含水率によって膨張したり伸縮しますので、建具などは金物まわりが緩んだり、動きが悪くなったりします。内装業者に対応してもらえると思いますが、ドライバーがあれば調整ができますので、一度内装業者が対応した際にメンテナンス方法を確認しておくと良いでしょう。金物まわりではなく含水率による建具自体の反りなどはドライバーでは対応できませんので内装業者に依頼しましょう。家具などは比較的影響を受けにくいですが、強い日差しがあたる箇所ですと表面の化粧板が剥がれてしまったりします。また、設計の段階からですが、空調の風が直接建具や家具にあたりますと不具合が発生しやすくなります。木製の製品に影響を与えにくい空調機の配置計画も大切です。これからという方はそのあたりも考慮して計画を立ててもらいましょう。
件数としては少ないですが、クリニック内を木製の置き床で床上げしている場合はクリニック内と床下の環境の差で床自体の伸縮が発生する場合があります。壁周りが空いてきたり、床材に隙間やよれが発生します。時期によって戻るのですが、あまり影響が大きい場合は床下通気口などを設けるようにしましょう。
基本的には不具合ではなく、季節によっての調整、メンテナンスになります。長く大切に使用する上で定期的に内装業者にみてもらった方が良いでしょう。
目に見えない空気の流れの空調の効きの不具合に関しては様々な要因が考えられますが、今回は目に見える部分のフィルターの目詰まりが原因でした。フィルターが目詰まりをしてしまうと運転能力の低下や、空調機本体の過剰運転にも繋がり故障の原因にもなります。新規に設置したばかりだとしても状況によっては埃を吸ってしまっていますので、やはり定期的なメンテナンス、確認は心がけた方が良いでしょう。
クリニックの設計士屋さん