物件探しのポイント

開業へ向けての気持ちを含めた環境が整ってきた段階で、一番具体的に取り掛かりやすいのが物件探しだと思います。
インターネットの普及もあり、物件情報が溢れている状況ですから、比較的容易に物件情報は手に入れる事ができると思います。
ではどういった物件が開業に良い物件なのか。簡単に言ってしまうと人が多くて、競合機関が少ない地域である事が基本です。
よく「何が何でも駅前が良い!」と考えておられる先生方も多いのですが、その分競合機関も多く、賃料や人件費などの固定費用も高くなってしまうというリスクがある事も忘れてはいけません。実際に、これまでお手伝いしてきた先生方で立ち上がりも良く、比較的早い段階で医療法人化されたクリニックは意外と郊外での開業を選ばれた先生方が多いという事実もあります。もちろん集客能力の最も高い施設は駅ですので、看板等の視界性がよければ認知も早く、競合機関が少なければ駅周辺は魅力的な物件であると思います。あとは先生がやっていきたい診療スタイルと地域との兼ね合いを考慮する事も大事です。比較的、症状も軽く初診率が高い内容の患者さんを診ていきたいとお考えであれば、駅前などの人の流れが多い、目に付きやすい物件が良いと思いますが、慢性疾患や患者層が比較的高齢者の患者さんを地域に密着した形で診ていきたいのであれば、あまりゴミゴミしたところよりも、患者さんに通院しやすい環境の整った施設かを重視しなければならないと思います。
また、ある程度物件が絞れてきた際に忘れてはならないポイントとして、建物のオーナーが医療機関に対してご理解があるかどうか。簡単に言いますと先生の開業を応援してくれるかどうかという事は非常に大切なポイントだと思います。所有者が法人、特に大きい会社であればしょうがない部分もありますが、個人であれば色々な融通をして下さったり、当然その地域の有力者である可能性が高い訳ですから、ある意味クリニックの宣伝部長のような役割を果たしてくださる方もいらっしゃいます。当然そういった人間関係を築いていかなければならない努力も必要になりますので、初めてのご挨拶の時に菓子折りを持って行ったり、何かご商売をされているオーナーであれば逆に応援できる事を申し出たりといった気遣いは長い付き合いになる事を考えると必要だと思います。
我々も賃貸借契約の交渉をする際、「このオーナーさんは良い人だなー。」と感じた物件で先生が開業した時には、経営的にも順調にいっているクリニックが多い気がします。
次回は賃貸借契約書のチェックについて書きたいと思います
コンサルタント碇

2006-10-27