「デザインと安全性について」

今年も早いものでもう9月になりました。原稿を書いている時点ではまだまだ残暑の厳しい日々ですが、暦の上では夏から秋、季節の移り変わりは早いものだと思う今日このごろです。今回のコラムは短めの内容です。コラムらしく。
最近好まれるデザインとして、あまり色合いを増やさずにシンプルな空間の構成が多くなっております。例えば白やアイボリーを基調にしてメインとなる一色をカウンターに配色するような空間の構成となります。ひとつの空間の中を限られた色で構成しますので、複雑にならず、シンプルで洗練された印象になり、その中のソファー等の置き家具、観葉植物等の色合いを空間にメリハリをつけるアイテムとして構成できます。カウンターの形状も基本の箱型のカウンターに手荷物置を設置する形状等、あまり作り込みすぎない、シンプルなものが増えています。手荷物置きの棚もエッジを効かせてシャープな印象を与える形状を希望される事が多くあります。
さて、本題となります。形状をシンプルなものの組合せにした場合、立面や断面的に「角」が出る事があります。「角」ですと、手や頭をぶつけてしまうと怪我をする危険性があります。もちろん「角」でなくても危険性はありますが、鋭角な程危険性は高くなります。どの施設でも同じですが、お年寄りや子供、体調の優れない方が来られるクリニックならなおさら危険性は少なくするべきだと思います。コーナークッション等もホームセンターで販売されていますが、あとから貼り付けするのであればデザインも台無しとなってしまいます。あくまでも空間の構成の満足度の中には安全性も含めましょう。

クリニックの設計士屋さん

2017-08-31