「新築の物件に入居する際の注意事項⑩」

今回は久しぶりに通常コラムです。

⑥本体工事の完了検査(業者・建築・消防)
 
 建築や内装工事が完了すると引渡し前に各立ち位置からの検査があります。内装業者の自社検査は当然ですが、建築全体のAB工事業者の検査もあります。全体監理の立場から設計通りに完成しているか、施工内容に不備は無いかを確認します。基本的には施工中も確認しているはずですので余程の事がなければこの時点での是正は発生しません。稀に建築業者からの指示に不備がある事もありますので事前にしっかりと内装業者に確認してもらいましょう。
 業者側の検査が完了すると次は建築の検査になりましす。建築の申請を行った建築業者と役所間の検査になります。申請図面と相違が無いかの確認検査が目的です。建築全体では数カ所の是非事項を指摘される事が多いですが、内装部分では事前の業者検査で問題がなければ新たに是非事項は発生しない事がほとんどです。こちらの検査が完了して建築工事は完了し、建物自体に完了の検査済証が公布されます。
 次に消防検査となります。管轄の消防署が消防設備の検査を行います。こちらも事前申請の内容をもとに検査を行い、不備が無いかの確認を行います。設備に不備は無いかの確認が主になりますが、建築検査と異なり内装の間仕切壁の位置により避難口誘導灯の視認性が低下していないかなど、現地で細かく確認をします。是正と言うよりは追加や変更が発生する事があります。消防は「より安全性を」の立場から指摘を出しますので過剰な設備となる場合もあります。異議がある場合は指摘されたその時点で建築業者・内装業者から内容を協議してもらいましょう。

クリニックの設計士屋さん

2020-10-31