「新築の物件に入居する際の注意事項11」

内装の計画から内装工事、工事関係の検査について前回までのコラムでご説明致しました。今回からはその後の開院までの流れとなります。

⑦クリニック部分の保健所検査
 保健所の検査や届出は新築の物件でも、既設の物件でも同様に必要となります。設計の段階で事前相談を行い、設計通りに工事が完了していれば検査自体は問題はないかと思います。問題があるとすれば必要什器や医療機器の搬入関係だと思います。新築の物件の場合、建物自体が同時オープンを予定している事が多く、建築検査後に複数のテナントが同時にオープン準備に取り掛かる事になります。搬入用のエレベーターや搬入経路の使用が重複してしまうと予定通りに準備を進める事が難しくなります。工事中は内装監理室が各テナント業者と調整を行っておりましたが、建築検査完了後は管理会社が窓口となると思います。また、各テナントも工事業者ではなく医療機器メーカーや什器メーカー、場合によっては一般の宅配業者が搬入する事になります。新築物件の場合は管理人会社が立ち上がって間もなかったり、建物自体の運営がまだ曖昧な場合もあり、時間の少ない準備期間内にロスが生じる事もあります。事前の内装工事の段階で建築検査完了後の管理会社、運営方法などを確認しておきましょう。また、保健所検査の際に必要な機器の確認、各メーカーの搬入方法や必要日数を確認しておきましょう。

 さて、今月で2020年も終わります。
コロナ関係に振り回された年になってしまいました。
経済や社会にも大きく影響がありました。
未だに今後の見通しが立たない状況ではありますが、
物事を前向きに考えていけるよう頑張らないといけません。
医療従事者、インフラ関係の方々、生活や社会を支えているさまざまな方々に感謝致します。
来年は落ち着いたコラムになる事を祈って今年最後のコラムとさせて頂きます。
本年もありがとうございました。

クリニックの設計士屋さん

2020-11-30