3月になり暖かい日が多くなってきましたが、花粉も多くなる季節で嬉しいやら嬉しくないやらの日々を過ごしております。まだまだ日々の寒暖差も大きいので体調を崩されないようお気を付け下さい。
さて今回のコラムはB工事についてです。B工事と言うのはテナント内装工事の中でクリニック負担で行う指定業者施工の工事範囲となります。詳しくは以前のコラムでも説明致しましたので割愛しますが、要するに建物管理の為などの観点から一般業者には工事を許可せずに建物側の業者にて管理と施工を行う工事範囲となります。多くは消防設備工事などテナント1区画だけではなく建物全体と連動する設備工事や建物本体(躯体)を変更する工事がB工事指定となります。B工事の範囲区分自体は建物(オーナー)の意向によって設定されますので、その建物それぞれでの確認が必要となります。B工事の範囲区分によっては内装費用も大きく変わってきますので物件検討時にしっかりと確認しましょう。
唐突ですが今まで経験したB工事範囲の厳しかった条件3位を発表いたします。
③厳しかったB工事ランキング3位
空調換気、消防設備工事がB工事
消防設備工事の他に空調換気設備工事と言う条件の物件は比較的多くあります。
空調室外機の管理や共用部を通る空調配管の施工も含めて建物側の業者をにて施工させたい為です。
内装工事の中で金額の比重が大きくなる空調換気設備工事がB工事の場合、内装工事費用が高くなってしまう場合が多いので気を付けましょう。
②厳しかったB工事ランキング2位
現状に影響する工事はB工事
既存の天井や壁にビスなどを打ち込む事工事自体がB工事となります。
事務所仕様でしたので机を並べて事務所として使用する分にはB工事は発生しないのですが、クリニックとして区画する場合はほとんどの工事がB工事となります。
既存の天井や床を一度解体する工事をB工事、新たにクリニック用に天井や床を設置するところからC工事として認めて頂いたのでなんとかなりましたが、なかなか厳しかった条件でした。
①厳しかったB工事ランニング1位
内装工事全てがB工事
建築業者がオーナーとなっており、テナント内装の全てが関連会社が行うB工事と言う条件です。
間仕切壁から天井、建具、家具などの造作工事はもちろんの事、設備工事、サイン工事までもB工事でした。
クリニックなどを手掛けた経験の無い施工業者の為、設計図通りに工事は行うが設計の意図を把握できずに要領を得ない進め方を行っていました。
物件選定の段階で候補地からは外したのですが、そのような条件ではなかなかテナントは決まらないと思います。
番外編として。
以上のB工事の範囲は事前に確認と説明が必要なのですが、以前 契約後に発覚した事がありました。賃貸借契約書や重要事項説明書には記載されている為、クリニック様は把握しているはずなのですが、しっかりと説明がなく、また設計会社から管理会社に問い合わせてもクリニックに確認してくれとの返答のみでした。工事内容が決定していざ工事着工と言う段階で管理会社から指摘があり発覚しました。賃貸借契約書の最後のページに工事区分表が添付されているのですが、クリニック様しか契約書を把握していなかった為、設計会社や施工会社に説明をしていなかったようです。結果として開院を延期してB工事業者との調整を行う事になりました。B工事範囲としては厳しい内容ではありませんでしたが、B工事範囲があると言う事がわかった時期が厳しかった案件です。
不動産の賃貸借契約だけではなく、開院に向けて色々な契約ごとが発生します。契約書は事前にしっかりと確認しなければなりません。先生ご自身だけではなく周りのサポートの方々(コンサルタント会社、税理士さん、設計会社、施工会社など)にも確認して頂きましょう。
クリニックの設計士屋さん