新年明けておりましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
さて今回はハウスメーカーが施工した店舗の引渡し状況でありました小話をお伝えします。
とあるハウスメーカーさんが設計施工の集合住宅で1階部分が薬局、医療施設3区画のクリニックモールとなります。クリニックモールの業者はハウスメーカーと、ハウスメーカーはオーナー様と打合せを進めるかたちで、オーナー様もクリニックモールの計画を喜んで頂いている案件になります。建築の設計当初から医療施設が入居できるように入居予定のクリニックの概要や想定の必要設備などの資料をハウスメーカーに提出していました。途中で色々と協議はありましたが割愛して内容のみをお伝えします。
①床が砕石
区画内の床が地面(砕石)でした。
ハウスメーカーさんの仕様では砕石渡しが基本となり、その後の土間コンクリートや床上げはクリニック側で行う想定でした。退去時はコンクリートはそのままで良いとの事ですが、それであればコンクリートまでハウスメーカーさんで施工して頂きたいところです。
結局コンクリートの費用はクリニック負担です。
②排水配管が各区画1ヶ所
25坪の薬局も70坪の内科もその他の区画も準備されている排水配管が1ヶ所のみでした。事前に資料を提出しているにも関わらずトイレは1ヶ所を想定しているとの事です。協議を重ね配管を増やしてもらいましたか、配管増設の費用はクリニック負担です。
③床より基礎が高い
区画内の柱の下にコンクリートの基礎があるのですが、想定の床より20センチ程度高くなっていました。室内で段差やスロープを設けて基礎を隠すか、床より出た基礎を隠す様に造作を作るかとなります。それであれば当初から想定の床の高さを変えて欲しいところです。結果、造作で基礎を隠す事になりました。
④看板位置が未確認
クリニックモールとして外部に看板が必要になります。ハウスメーカーさんからどの位置は大丈夫、この位置は駄目など協議を重ねて位置が決まり電源も事前に準備して頂きました。(費用はクリニック負担)サインレイアウトも提出しております。ところが建築が終わりオーナー様からカギを受け取る際にサインレイアウトを見せたところ、オーナー様はハウスメーカーさんからサインについては何も聞いていないとの事で難色を示されました。結果サインの必要性についてご理解頂き、計画通りにはなったのですがクリニック側、オーナー様ともに釈然としない結果でした。
細かいところではまだまだあるのですがサインのことも含め、床や排水配管、基礎の高さなどはハウスメーカーさんからオーナー様に話があがっていなかったようです。クリニックモール側としたら要望の確認はハウスメーカーさんが窓口だったのですが、ハウスメーカーさんの予算、スケジュールがオーナー様の見解としてクリニックモールにおりてきていたということでした。オーナー様もハウスメーカーさんに不信感を抱く結果となりましたが、建物ができてから発覚したことなので、なかなか遡って変更ができません。今回はハウスメーカーさん、その担当者の動きが良くなかったと感じますが、クリニックモール側が直接オーナー様に要望を出すとうまく進まないケースもあります。なかなか難しいのですが各担当がスムーズに進めているか、しかるべき確認がとれているかの見極めが大切だと思います。
今年もこのような雑談コラムになりますが、宜しくお願い申し上げます。
クリニックの設計士屋さん