前回に引き続き、Nステージの吉岡がお届けいたします。
多くの先生をお手伝いしていますと、大学・病院を辞められて新規に医院を開業する先生だけではなく、色々なケースでお手伝いを携わることがございます。
医院の移転や、親族・第三者への医院承継、医療法人化など・・・医院で患者さんを診ながら並行して手続きを行わなければならないケースも多く、役所への届出・申請も新規開業より二倍以上の手間が掛かると言われています。
簡単にご説明をしますと、書類上では一度閉院(廃止)をして、新たに開院(開設)をすることになり、医療法人の場合には事前に医療法人定款の変更認可申請と法人登記、開設届を提出する前に診療所使用許可申請が必要になってきます。この他にも厚生局への申請や、医院によっては施設基準や生活保護法等指定医療機関、感染症指定医療機関、被爆者一般疾病医療機関、麻薬施用者免許などの諸手続きが絡んできます。
レントゲンを設置している医院の場合は、継続して使用する場合でも廃止届を提出して、改めて線量測定と設置届が必要になってきますので注意が必要です。
役所への届出・申請の時期は、時として急を要する場合もあり、以前お手伝いをした先生の中には、慌てた声で役所申請・手続きを至急お願いしたいという旨のご依頼を受けたこともございます。
その先生の場合は医療法人で、近くに診療所を移転する計画で会計事務所が保健所関連の手続きを進めておりました。
当時は保険医療機関の指定申請が社会保険事務局(所)だったため、先生も「社保」の手続きもお願いをしていたそうです。ただ会計事務所は「社保」と聞いて、診療所スタッフの年金や医療保険などの社会保険制度の事だと勘違いをしており、保険医療機関の指定申請の手続きはまったく考えていなかったようで、急遽私がお手伝いをしたことがありました。
幸いにもご依頼を頂いた時期が移転直後だったため大きな損害は出ませんでしたが、このまま気付かず診察を続けてしまったていたと考えると今でも背筋が凍る思いです。
ただ、平成20年10月1日より社会保険庁の組織改革に伴いまして保険医療機関の指定申請が、厚生労働省の地方厚生局に業務が移管されましたので、この様な勘違いは起こらないかと思います。
色々と細かい事を書き連ねましたが、何事も準備をしっかりしていれば慌てる事も少ないと思います。
ひとつアドバイスをさせて頂きますと、役所などに事前に相談する事も出てくるでしょうから、役所がやっている時間帯に直接問い合わせ等に行けるように、平日の昼間一コマでも休診日をつくる事も大事かもしれません。
私どもも、お手伝いさせてもらった先生方からの、このようなご相談に適切に対応できるよう常々勉強しておかなければならないなと、このコラムを書きながら改めて再確認しました。
先生方の手続きや申請がスムーズに進む事を心よりお祈り致します。
コンサルタント吉岡
役所への届出・申請について3
2009-05-31
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