今年ももう11月になりました。先日までまだまだ暑い日もあり夏の延長でしたが、あっという間に秋を感じるようになりました。体調を崩しやすい季節ですので皆様もお気をつけ下さい。
さて、今回のコラムは以前のご報告となります。前々回のコラムで建築中の物件の引渡し状況について記載しました。主要な駅のロータリーに面している11階建のビルの7階に入居検討のクリニックの件です。空調室外機の置き場が12階となり、クレーン作業や配管作業がとても困難な物件でした。建物が建築中でしたのでテナントへの引渡し条件を協議しておりましたが、建築申請上で変更が難しく、予定通りの引渡しとなるとの結果になりました。ただ、オーナー様としましてもテナントが不利になる状況を理解しており、建築検査後に室外機置き場を各階のバルコニーに変更する事で承諾を頂きました。各階のバルコニーを利用する事により、室外機の台数や近隣への騒音測定などの制約は出ますが、クレーン作業や屋上までの配管工事が必要なくなり、今後のメンテナンスも行いやすくなります。もし今後テナントの入れ替わりがあった際も各フロアで完結できますので、テナントにとっては良い条件となりました。ただ、建築工事中に入居工事を行っているテナントに関しては予定通り屋上に室外機を設置となり、クレーンの使用にあたり建築業者にかなり費用を払っている為、あくまでも建築検査後に協議をして決定したと言う事にして欲しいとの事でした。このあたりはオーナー様としてはだいぶグレーな内容になりますが、建築検査後に入居するテナントとしてはありがたい変更です。誰かが利益をあげる為ではなく、オーナー様やテナントが不利にならないように変更や調整ができ良かったです。
今回のような建築引渡し条件の変更は毎回できる訳ではありません。ですが立場によって希望する条件が異なる為、あまりにも条件がかけ離れている場合は、協議の場を設けた方が良いでしょう。
やっとコロナの感染者数も減少し、緊急事態宣言も解除になる方向となっております。ですが引き続き手洗い・消毒・マスクなど感染対策は行っていきたいと思います。さて、今回のコラムはコロナ禍が建築業界に与えた影響の一部についてになります。
クリニックの設計士屋さん
【2021/10/31】