「質問のコーナー」

だんだんと暖かい日が増えてきた事よりも、鼻炎の悪化で春の訪れを感じている今日この頃です。

今月のコラムは趣向を変えまして、実際あった出来事を質問形式でお届けしたいと思います。多少自作部分をございますが、ご了承頂ければと思います。
それでは最初の質問

Q1
消防署への届出で防火管理者専任届がありますが、専任届出書と消防計画作成届出書は工事会社や設計事務所で作成してもらえますか?

A1
基本的には不可となります。専任届出書や消防計画の書類については、その施設の防火管理者が作成する書類となります。地域によって書式は異なるのですが、書類には消防避難に係る各担当者の氏名や住所、連絡先を記載する欄や、近隣の避難場所など施設関係者が確認して決める部分があります。工事会社や設計事務所ですとそこまでは把握していないですし、把握する立場でもないと思います。専任される防火管理者ご本人での作成が一般的になります。なお、近隣の消防署のホームページや自治体のホームページから雛形や作成例をダウンロードできますのでご参考にして頂ければと思います。

Q2
提案の内装の仕上についてエビデンスはありますか?

A2
全く無い訳ではありませんが、経験則でのご提案が主となります。ここの壁にタイルを張る事によっての印象の変化や受付カウンターを木目調にした場合の患者様の来院数を数値化したデータはありません。クリニックごとのコンセプトや先生の好みによってご提案しております。同じ場所、時期、同じ科目で同じ設計のクリニックが複数件オープンすれば比較もできますが、現実的には不可能です。エビデンス云々より、先生ご自身の印象でご判断頂きたいと思います。

Q3
見積の内装工事費ですが半額になりますか?

A3
なりません。内装工事費を半額にする場合は大幅な工事内容(設計変更)を検討し、再度積算を行う必要があります。同じ工事内容で大幅な減額ができる工事会社でしたら、逆に考えると最初の金額は何だっとのかと思ってしまします。例外としてデザイン系の設計事務所が費用を考慮せずに盛りだくさんな提案で進め、工事費用が予想外に掛かってしまい、大幅な設計変更の上、減額ができたというケースもありますが、基本は同じ設計内容では大幅な減額は難しくなります。設計を進める上で予算感も共有して進めた方が良いでしょう。

業務の中で実際にあった内容を質問形式で纏めてみました。定期的にこのようなコラムもご提示していきたいと思います。

 

クリニックの設計士屋さん

2022-02-28