4月末から5月初旬の連休中に改装工事を行っているクリニック様はありますでしょうか?今年の連休は前半と後半に分かれている為、なかなかカレンダー通りの休みですと大規模な改装工事の計画をたてづらく、工事を複数の期間に分けての計画となる場合もあります。工事期間との間の通常診察を行う場合は清掃はもちろんの事、工事材料の管理や電子カルテなどの医療機器の動作確認などをしっかりと行い患者様に影響の無いようにしましょう。
さて今月のコラムはデザインとアートの違いについてです。デザインやアートと言った言葉はさまざまな場面で使われております。ネットなどで調べると、デザインはクライアントの目的達成の為に、アートは作者自身の表現の為に、とあります。
クリニックの設計を行う場合、基本はデザインになります。クリニックの用途やコンセプト、使い勝手、施主の要望に沿って設計計画を行い提案することがデザインすると言う事になります。もちろんその提案の中に設計者の自己表現も含めても良いと思いますし含めるべきだと思いますが、主とするコンセプトは施主の要望になります。少し語弊がありますが、クリニックの設計は以外と単純で科目によってある程度決まった必要な部屋とそれぞれの部屋の繋がりを組み立てていく作業になります。そこに施主のコンセプトや目的性や地域性などを加味して現地の設備業況を検証して設計していきます。そしてそこに設計者の自己表現も含めて独自のクリニックとしていきます。建売の住宅ではありませんし、オフィスビルでもありません。AIでは設計やデザインのできない業務でありたいと思います。
余談になりますが科目によっては診察スペースの入口のドアと出口のドアが別々にする事があります。耳鼻咽喉科や眼科、健診センターなど、治療や診察、処置、検査を順番に行う場合、その都度待合室に出ずに直接隣の部屋に移動して別の出口から待合室に退出する設計となります。基本としてこの場合はスタッフが誘導を行い、患者さんが混乱する事のないように運用します。某O阪あたりの博覧会で男性用個室トイレの入口と出口を別にした画期的な計画をし混乱を招いていると話題になりました。個室でなければ小便器で用を足したあとに手洗い場に向かい、別の出口から出るといった設計はあります。個室でそれを行う場合、スタッフの誘導や運用方法の周知を徹底するべきでした。この設計ははたしてデザインとアートのどちらであったのでしょうか。はてさて。
5月に入り気温も上がってきます。水分補給など体調管理にお気をつけてお過ごし下さい。
クリニックの設計士屋さん