スタッフの確保について1

今回は開業時を中心にスタッフの確保について書いていきたいと思います。
クリニックの運営は先生一人ではなく、受付・医療事務や看護師・助手等のスタッフの協力によって成り立っていきます。患者さんがクリニックに訪れ、最初と最後に声を交わすのは受付スタッフですのでクリニックの印象イコール受付スタッフの印象と言っても過言ではないかもしれません。良いスタッフとの出会いは医院の運営に大きな影響を与えますのでより慎重にクリニックにあったスタッフを選んでいきたいところです。
新規で募集をする場合、募集を掛ける時期は医院開業のおおよそ1ヶ月前くらいです。履歴書を送付してもらい書類選考の後、3週間くらい前に面接を実施します。面接会場は働く場所を見てもらうという意味でも一般的にはクリニックでおこないます。
その時点では別のところに務めている応募者がいて採用されれば辞めてきますという即戦力になる方も中にはいますので、退職するまでの期間を考慮して1ヶ月以上空けたいところですが、内装工事が終了して長い期間を空けるのは賃料の関係等を考えるとデメリットですし、すぐに働きたい方とのバランスを考えるとそれくらいの時期が妥当だと思います。また内装が完成してから提出する開設届・指定申請書のスケジュールは都道府県によって若干異なりますので、そのあたりのタイミングも事前に調べたうえで考慮し内装工事完成頃に面接日を設定すると良いと思います。
ただ応募先をクリニックにしてしまうと内装工事中はまだポストが設置されていなかったり、あったとしても毎日ポストを確認しに行くというのも意外と大変な業務ですし自宅の住所や電話番号を応募先や問い合わせ先にするのも抵抗があると思います。そこで我々のようなコンサルタント会社や場合によっては広告代理店がクリニックの開設準備室となり窓口を代行しているところもありますので活用したいところです。人員を増やすような景気の良いところと勘違いして関係のない業者の売り込みなどを避ける事ができるというメリットもあります。
募集の方法としましては就職情報誌や新聞の折込チラシが一般的です。就職情報誌はかなり広範囲にわたり募集ができますので、予め応募が少ない事が予想される地域での開業や、絶対数の少ない看護師などを正職員として採用する予定の場合などには有効だとおもいますが価格が高いという事と遠方からの採用の場合、交通費などが掛かるというデメリットがあります。パートを中心にコストを抑えていくのであれば新聞の折込情報チラシに掲載するケースが多いようです。比較的エリアを絞れるメリットがありますが掲載エリアと医院の所在地を事前に確認しておかないと、境界線上にクリニックがある場合は複数エリアに出す必要があります。あとあまり知られていませんが医療事務などの資格を取得する為の学校なども資格取得者(卒業生)に対して無料で独自の募集情報を送付しているところもありますので活用したいところです。また奥の手としてクリニックの内装工事中に窓ガラスや看板設置場所に直接掲示するという方法も効果的です。どうしてもスタッフが集まらない場合や急遽辞められてしまった時に備えて、保険がわりに人材派遣・紹介会社とコネクションを作っておくのも方法の一つですが固定費が相当高くなってしまいますので最終手段としてとっておきましょう。
新規オープニング募集の場合は応募者にとってすでに人間関係ができているところに転入生のような感覚で入る不安もないですし、綺麗なところで一から始められるという魅力がありますので集まりやすいという傾向がありますが、採用後、研修中・開院直前に辞めてしまうような人もいないとも限らないので(実際に何度かありました。それはもう大騒ぎです)、若干余裕をもった人数構成を組む事をお勧め致します。
次回は書類選考や面接について書きたいと思います。
コンサルタント碇

2008-11-30