スタッフの確保について4

今回はスタッフの面接での評価方法やその後の流れについて書いていきたいと思います。
前回、話のテンポを重要視するという事を書きましたが、もう少し明確に判別する為にわざと抽象的な質問をおりまぜたりすると良いと思います。例えば「あなたにとって良いニュースは何ですか」、「整理整頓についてどう思いますか」などです。聞く方も思わず詰まってしまいそうな内容ですが、中には瞬時に「整理整頓は好きです。使った物を元の場所にちゃんと戻す癖をつければ、どこに何があるか覚えておけますし、後々の掃除なんかも楽になるからです。」とスラスラと答えられる方もいらっしゃいます。このような方は実際雇っても機転が利いて、とても忙しい診療現場でも慌てる事もなく、少ない指示でこちらの思っている事を的確にこなしてくれ一緒に仕事をしても非常に助かっているようです。
ただ能力が高くても気が強すぎる方、自分の権利を主張しすぎる方は体制が整っていない新規のクリニックには向いていないようです。気持ちが前向きで乗っている時はいいのですが、不満が募り辞めると言い出した時にまわりの方への影響も大きいものになってしまうからです。「来月で全員いっせいに辞める事になってしまった。どうしよう。」と相談を受けた事も実は何度かあります。これはさすがに大変なのでそうならないよう気を付けなければなりませんし、面接の段階でそういった要素がないか見極めたいところです。
面接が終了したら、先生、面接司会者(奥様)、受付の人たちで選考に入るわけですが、後から判りやすくするように統一のメモ用紙に点数方式で評価を付けるようにしておくと良いと思います。
色々書きましたが人の問題は開業後もずっとついてくる悩みの種として入れ込みすぎには注意し、何と言っても先生との相性を重視しながら、ストレスができるだけ小さくなるよう選んでいくのが一番良いように思います。
さて採用者が決まったらできるだけ時間を空けずに採用の報告を電話でするようにしています。良い求職者ほど他の募集先で採用になってしまう可能性があるからです。採用の電話をする時は研修初日の日時と雇用誓約書に印鑑を押してもらう旨を伝えておくと良いと思います。この雇用誓約書には特に強い縛りがあるわけではないのですが、求職活動を止めてもらう意味では意外と効果的なようです。
電話連絡の後、合格者の色よい返事を聞いてから、書類選考で落ちた方、面接で不採用だった方々に不採用通知を出します。合格者から断られた場合、面接で思っていたほど良い方がいなかった場合は書類選考でギリギリ落とした方々に面接のお知らせができるようにです。
以前にも書きましたが不採用通知には丁重なお断りをしなければなりません。応募者の自尊心を傷つけないような文面で、粗品として小額のギフト券などを入れると良いと思います。
次に採用者の方々と研修が始まるわけですが、初日は顔合わせとして食事会などをする先生が多いようです。面接時には根掘り葉掘り聞いた訳ですから、この日は先生がスタッフの方にご自身の詳しい紹介や医院の目標をお話すると良いのではないかと思います。
ここまでくれば誓約書にサインもしてもらってますし、ご飯も食べてもらっているので(笑)よほどの事がなければ断られる事はないと思います。研修の詳しいスケジュールやシフト表などを用意しておくと話もスムーズに進むと思います。開業までもう一息、ここまで頑張った先生方に良い出会いがある事を心よりお祈り申し上げます。
コンサルタント碇

2009-02-28