「空調のメンテナンスについて(追記)」

毎月感じますが早いものでもう7月。今年も半分が過ぎてしまいました。もう半年、まだ半年、それぞれの方で感じ方に違いはあると思いますが、あわてずに過ごして行きたいと思います。
さて、関東ではあっと言う間に梅雨が明けて暑い日が続いており、クリニックの空調機もフル可動になると思います。クリニックでは家庭用の壁掛けタイプとは異なり、天井面に設置するタイプの空調機が多くなります。以前のコラムではフィルターの目詰まりによる空調効率の低下についてでしたが、今回は使い始めに発生しやすい臭いの件について説明したいと思います。
空調を運転させた際に異臭を感じる場合があります。異臭の種類によって、ある程度原因と対策をとる事ができます。

①排水の臭い
空調機から排水(下水)の臭いがする場合は排水管から臭いが逆流している可能性があります。通常空調機は運転時に空気中の水分を排水しております。設置状況によって空調排水用の配管に接続する場合や、一般の排水配管に接続する場合があります。どちらの場合も臭いが逆流しないように通気弁を設けるのですが、汚れなどが付着して通気弁が開放した状態になってしまい、臭いが発生している状況が考えられます。空調機の逆流性食道炎のような状態です(!)。施工業者に点検してもらいましょう。また、排水配管の繋ぎの不備の場合もありますので、あわせて点検してもらいましょう。

②カビの臭い
家庭用でも多く発生する空調機からのツンと鼻をつくようなカビの臭い。空調機本体や排水を貯めるドレンパンや排水配管内部にカビが発生している可能性があります。排水配管内部のカビの場合は使用しているうちに流されて改善する場合があります。使い始めに発生しやすい状態です。しばらくの間、温度を下げた冷房強風運転で可動させて様子を見てみましょう。それでも改善しない場合は本体、ドレンパンのカビが原因と考えられますので、費用は発生しますが業者に清掃を依頼しましょう。

カビが発生する状況は空調機の新しい、古いではなく運転環境に左右されます。対策としてはやはりフィルターの清掃が重要となります。空調機自体は室内の空気を循環させている機械ですので、室内の埃や菌がフィルターや本体にも付着します。埃が貯まると排出される水分とあわさりカビが発生しやすい状況となり、清掃をしてもカビの菌が残っているとさらにカビが発生しやすくなる悪循環となってしまいます。これは古い空調機ほどカビが発生しやすい状況ですが、設置したばかりの新しい空調機でも起こり得る状況です。室内で焚いた(焚きすぎ)アロマが原因となったクリニックや薬剤の噴霧が原因になったクリニックもありました。換気や空気清浄機などで室内の空気環境を整え、こまめにフィルターの清掃を行う事が一番の対策となります。

空調機は使いたい時に使えなくなり困る設備の代表格です。メンテナンスで空調効率も上がりますので年間を通してフィルターの清掃、時期をみて空調機本体の清掃をご検討下さい。
クリニックの設計士屋さん

2018-06-30