スタッフの確保について2

前回に引き続きスタッフの確保について書いていきたいと思います。
募集を掛ける段階までにはクリニックの名称や診療科目・診療時間を確定しておかなければならないと共に、正職員を雇うのかパート中心でいくのか採用する人数構成などをある程度決めておかなければなりません。給与や時給なども記載しなければなりませんので、地域の相場を前もって調べておく事が必要です。また募集広告が埋もれてしまわないように「○月開業の新しいクリニックです」「新規開業につきオープニングスタッフ募集」など開業をアピールしたコメントを入れると応募者が多くなりますので掲載する事をお勧めします。
募集を掛けるところまでは業者の方が主体となってやってもらえますが、履歴書が届いてからの書類選考は先生が主体となって決めていく事になります。
これまで履歴書を出す事はあっても、他人の履歴書をじっくり吟味する経験のない先生が多いと思います。応募者が少ない場合は、よし全員と会ってみよう。という事でも良いと思いますが、応募者が多かった場合は不採用の方が出てきてしまいます。不採用になった方には近隣の方もいらっしゃるでしょうから、潜在的な患者でもあるその方や、ご家族、お友達の来院にも影響が出てくる可能性があるという事を踏まえて、丁重なお断りをしなければなりません。応募者の自尊心を傷つけないような例えば、「予想を上回るご応募を頂き・・・」「経営も初心者なので最小人数でのスタートする運びとなりました・・・」などの文言を入れた不採用通知に、大人数でなければ500円位の図書券やギフト券などを同封すると良いと思います。
またお断りの通知を出してから追加募集をかける訳にはいきませんので、最初の応募者の数を見ながら追加募集の有無を決め素早い決断を下さなければなりません。よくある話ですので前もって考えておいた方が良いでしょう。
次に履歴書の見方ですが「目は口ほどに物を言う」という言葉がありますが、文章や文字も本人に実際会うよりもより性格が出ている場合がありますので侮れません。
これまで延べ1500人くらいの方の書類選考や面接に同席させて頂いた経験から私も人の事は言えませんが誤字脱字が多い方はやはり仕事を通して見ても、うっかりやミスが多いようですし、志望動機やPRポイントの文章が矛盾していたり支離滅裂な方はやはり会ってみても難しい方が多いようです。
逆に綺麗な字で列が揃っているような方は整理整頓がうまかったり、文章に熱意のある方は会った印象よりも話し込んでみると本当にその通りだったりと面接以上の人選に繋がる場合もあります。
内容につきましては、職歴の欄に色々な業種を短期間で転々と移っている方はやはり長く勤めてもらえる可能性は低いようですし、勤務時間や保険、有給休暇について細かく要望を出してくる方は新規開業には難しいかもしれません。また医療事務については実に様々な資格があるようですので、その熱意があり行動した人というくらいの認識でとどめておいた方が良いようです。即戦力になる方を求めるのであれば経歴欄にあるクリニックの情報を調べた方が良いと思います。
色々書きましたが、履歴書に貼付してある写真は雰囲気の参考にする程度で第一優先に選定していくのはやめておいた方が良いようです。ガッカリするケースも少なくないですし、むしろ写真の技術はここまできたか!と驚く場合もあります。ここまで真面目に読んで下さった先生方ごめんなさい。
ではでは最後に2009年が先生方にとって有意義な年になる事を心よりお祈り申し上げます。
コンサルタント碇

2008-12-31