「建築工期の延期の影響について」

関東ではあっという間に梅雨が明け、6月後半にも関わらず猛暑が続いております。皆様も水分補給、室温管理をしっかりして体調を崩されないようお気をつけ下さい。さて今回のコラムも前々回の続きではなく、別の内容になります。ご了承下さい。

昨今の建築材料の価格上昇や製品納期の不確定などで建築現場では工期の遅れや延長が発生している案件もあります。建築済みの物件でのご開院でしたら、内装工事材料の手配、事前準備である程度は吸収できるのですが、建築中の物件や建築完成後すぐに入居、内装工事を予定している物件の場合は本体の建築工事の遅れがダイレクトに開院時期に関わってきます。
建物自体は完成しているのですが、エレベーターの部品が入らない為、建築完了検査が受けられず、建築業者からオーナー様への引渡しが完了できない物件がありました。オーナー様への引渡しが出来ていない為、もちろん賃貸借の契約も締結できない状況です。内装工事の着工が遅れ、予定より1カ月遅れたご開院となりました。先生は開院前の準備期間を長くとれたと言われておりましたが、予定していたスタッフの雇用などでの調整が大変でした。
また、開業時期の調整が難しい先生では、建築完成後の内装工事の予定だったのですが、急遽建築中に工事を行い、建築完成と同時に内装も完成させる事になりました。その場合、以前のコラムでもご説明しましたが、建築検査を受けるための法令遵守、設計や施工内容を建築会社に提出、内装監理室との協議、建築の変更申請の資料作成や費用の負担、施工時の建築ルールの遵守、朝礼などの参加、施工時間や曜日・部材搬入時間の制限、現場協力金の負担などが必要となり、事前準備や検討の時間がかなりタイトになりました。もちろん本体の建築業者の方々も急な変更によっての業務調整も大変だったと思います。賃貸借契約自体は申込までで本契約を締結していなかった為、建築業者やオーナー様側に予定外の費用が発生する事はなく、スケジュール変更に伴う前述の追加費用についてはクリニック側の負担となりました。その際に内装の設計・施工側の工事費用を減額できないかとの要望もありましたが、ご協力はできませんでした。
建築本体のスケジュールが遅れ、開院時期の調整や予定していなかった費用が発生しても建築業者やオーナー様側には責任が無い事が多くあります。建築完了後すぐに賃貸借開始、内装工事着工を予定する場合は1〜2カ月程度の開院時期調整が可能なスケジュールを組める事が望ましいです。なかなか難しいケースがほとんどなのですが…。

次回は前々回の続きとなる予定ですが未定です。繰り返しになりますが、体調を崩されないようお過ごし頂ければと思います。

クリニックの設計士屋さん

2022-06-30