「物件の選定について」

今回は物件の選定についてご説明させて頂きます。と、申しますのも今年に入ってから先生が選ばれた物件を調べていたら開院に支障がある事が発覚した案が2件ほどあったからです。それぞれのケースでご説明させて頂きます。

①物件検討中の案件

新たにクリニックを開設する為に土地と建物の購入を検討しており、不動産業者からいい物件を紹介されました。購入にあたり、クリニックのレイアウトや概算の金額を算出する為、物件を調べて欲しいとの依頼があり、物件を確認したところある問題が発覚しました。

現在の建物が明らかに土地に対する建ぺい率を超えているのです。建ぺい率というのは簡単に言いますと土地に対しての建物の1階部分の面積の比率で自治体により割合が設定されています。例えば100坪の土地で建ぺい率が80%の場合、1階部分は80坪までとなります。複数階の延べ床面積に対しては別に容積率が設定されています。今回の物件を役所の建築確認や土地建物の登記簿謄本で確認したところ、基準の範囲の面積となっておりました。恐らくは建築後に届け出をせずに増築を行い、基準の面積を超えてしまっているものと思われます。

クリニックの開設にあたっては工事内容によっては建築の申請は必要ないのですが、今回の場合、2階建の物件で、階段の位置変更や内部にエレベーターの新設も検討されており、大規模な改造工事を含めたクリニックの計画でした。既存の建物の構造体の変更や新たにエレベーターなど建築設備を設ける場合は建築の申請が必要となり、現状で基準面積を超えている物件ですと既存の部分に対しても是正の指摘が入ります。建築の申請が必要ない場合でも将来的に改装する際に是正が入る可能性もありますので、今後色々な対応が難しくなる危険性が高くなります。

もともと条件を把握していて、既存の建物を解体して新たに基準面積の範囲で新築する場合は良いのですが、把握せずに購入してしまい、その後に条件が発覚した場合は対応が難しくなります。本来は不動産業者に条件の説明をしてもらいたいところですが、条件はご自身で確認して下さいという業者がほとんどです。工事会社にしても調べたらこのような条件なので別途金額が発生しますという業者もあります。今回の物件に関しては結果購入を見送ったのですが、購入でも賃貸でもクリニックの開設にあたって計画に際して現在支障が無いか、将来的にも支障が無いかを事前に確認された方が良いでしょう…と申しますか確認しなければいけません。

次回も引き続きもうひとつのケースをご説明させて頂きます。
クリニックの設計士屋さん

2016-05-31