「平面図の提案」

雨続きの梅雨が明けた途端に夏らしくなりました。一般の方もですが工事作業の方々はとくに水分補給などの熱中症対策を心がけてください。

さて、今回は平面計画のご提案についてです。クリニックの平面計画は物件の面積や形状、設備等の条件、立地はもとより診療科目や診察スタイルによって様々な平面計画となります。色々な条件やご要望を加味して最終的に平面計画を決定する流れになります。最終的と表現しましたがご開院時の平面計画であり今後の診察スタイルの変更によっては変化(改装)も必要になるかも知れません。あくまでも現段階(ご開院時)での最終的な平面計画となります。
様々な平面計画と記述しましたが、ご開院の内装工事のご提案の際は診療科目がほぼ決まっており、物件も検討している事がほとんどですので、ある程度ご提案のパターンは少なくなります。ですが同じ物件でも先生のご構想がわからない場合、平面計画としては考えたらキリの無いほどの数になります。設計の立場からになりますが診察は2部屋、処置室はベッド3台、トイレは車イス用とスタッフ用を含めて3つ…のようにある程度のご構想を頂けると平面計画をご提案しやすくなります。動線や診察の流れを違えて3つ前後の平面計画を作成して、その平面計画をたたき台としてご構想の確認や肉付けが行いやすくなります。プロだったらまずは提案をと言われることもありますが、決して手抜きや楽をしたい訳ではなく、ご開院までの時間を有意義に進める為の方法です。提案がひとつだけの場合では違うパターンの検証もできないですし、10パターンですと少しずつ違うだけで動線や診察の流れが重複してしまうものです。もちろん10パターンの平面計画を作成する時間も有意義とは言えませんし。一番最初の平面計画のご提案は「ハズレはあるけど正解は無い」ものだと思います。ハズレの提案では見当違いですが、このままの平面計画で変更は無しといった正解の平面計画もありません。建売りではありませんし、設計は作品を売るアーティストではありません。ご要望に提案を加えて形にするデザイナーだと思います。使う方に併せた平面計画をご提案することが責務だと思います。できるだけご開院までの時間を有意義に使う為に先生も真剣に向き合って頂けると幸いです。無数の平面計画の中から先生だけのクリニックをご提案する為に大切な事だと感じます。偉そうな表現となってしまい失礼致しました。一方通行ではないご提案を心がけたいと思います。
クリニックの設計士屋さん

2019-07-31