郊外型の物件探し

先日、東京郊外で内科の開業をお手伝いをしまして、開業前の内覧会に200名以上の地域住民の方々にお越し頂き、地域住民の方から開業を喜ばれ大盛況で終わることができました。そこで今回は、都市部から離れた郊外での開業について書きたいと思います。
郊外は都市部と比較した場合に、バスや電車などの交通網が少なく、車で移動が欠かせなくなっていますので、物件探しの際には自動車で通院される方のことを重視する必要がでてきます。
では車で通院される患者さんに利用しやすい物件選びの条件を、私が物件を探すポイントを踏まえ幾つか挙げてみたいと思います。
第一に、物件に面している道路についてです。道路には大きく分けて、国道・産業道路などの幹線道路と、地域住民が通勤や買い物に利用する生活道路があります。
自動車利用客を対象とした物販や飲食店などは幹線道路での出店が多くみられますが、クリニックの場合は地元の人が利用する様な生活道路での開業が理想的と言えます。
一見、幹線道路の方が交通量も多いので良いかと思われがちですが、対象とする患者さんは生活道路を利用する地域の方々だからです。
また幹線道路で生活圏が遮断されないというメリットもあります。
しかし、物件が幹線道路にしかない地域もあります。その場合でも生活道路と幹線道路が交差する角地や、裏側が生活道路に面していれば物件の後ろに居住地域が構えていることになりますので、候補物件になるかと思います。
第二に、走っている自動車から確認できるかです。普段から交通手段として利用している自動車から見えないと、いざ病気になった時に医院があることを思い出せないと思います。
私達も物件を探す際には自動車に乗りながら空き物件を探す手法も取っており、簡単に見つかる物件ほど流行るというジンクスがあるくらいです。
もちろん医院の看板以上に建物自体が見えて、入りやすい雰囲気をアピールする必要もあります。
第三に、駐車場の出入りについてです。出入りがしやすい駐車場でなければ運転に自信がない方には敬遠されますし、また駐車スペースもゆったり取れるに越したことはありません。そこで意外なポイントとして、『右折で入りやすい』ことが重要になってきます。
具体的に右折で入りやすい理想の条件とは、物件の2面以上に道路が接している角地であることと、角地でない場合でも至近距離に信号があり車両が減速や途切れる場所になります。
実際、私の場合は下記の内容で物件を確認しております。物件に面している道路は時速50km/h以下で自動車が通行しているか。実際に車で走ってみてどれだけ認識できるか。 患者さんが多く来院する時間帯に実際に右折をしてみて入りやすいか。
検討されている物件がありましたら、この条件もひとつの参考にして頂けますと幸いです。
全ての条件が揃った理想な物件は容易に出会うことは難しいかと思いますが、結婚相手を見つけるのと同じ様に根気よく探してみては如何でしょうか。
コンサルタント吉岡

2009-10-31