最近の開業状況

この10月、11月に3件のクリニックと2件の調剤薬局の開業をお手伝い担当させて頂きました。特に3つのクリニックは整形外科、内科、小児科と各々の診療科目によって特徴的な立地条件で共に素晴らしいスタートをきる事ができましたので、こういった例もあるという事でご紹介してみたいと思います。
まず一つは駅近くメイン通り沿いに空いたテナントで開業した整形外科。横断の困難な線路の反対側にはいくつか流行っている競業機関があったのですが、今回の開業地側には1件もなく1階の広い物件という事で決断されました。高齢人口も高い地域で物件前の人通りも多いのですが、駅前という事で駐車場が取れないというネックもありました。ただ蓋を開けると内覧会には300人以上の地域の方々にお集まり頂き、最高のスタートをきる事ができました。バス路線も充実している事もあって、線路のこちら側のかなり広い範囲から集患する事になりました。線路や幹線道路、大きな川などは街や人の動線を遮断するものとして敬遠されがちですが、競合機関からの影響も遮断し良い効果があった例と言えると思います。早くもスタッフの追加募集やウォーターベットの追加注文を入れるくらいの盛況で予想以上の出だしとなりました。
内科クリニックは郊外型での開業になりました。以前お手伝いした先生からの紹介という事もあり、絶対に失敗してはならないというプレッシャーもありました。先生の自宅からの通勤圏内の駅周辺はあます事なく競業機関が密集しており、ご紹介できる案件が少なかった為、徐々に郊外型の物件にシフトしていきました。幸い先生が勤務していた病院とも良好な関係で退職する事ができた為、そちらのデータもある程度参考にしながらの物件探しとなりました。そんな情報を元に物件探しをしていたのですがコンビニエンスストアが流行ってもっと広い敷地に移転した跡地という物件があり、それでも10台くらいの駐車場がありましたのでクリニックとしては充分です。近隣に先生の専門である循環器科がまったくなかった事と隣接地に調剤薬局が出店してくれる事になりその物件で決りました。ご家族の献身的なご協力もあり順調に開業準備も進みました。こちらの内覧会も200人を超える地域の皆様に来て頂き、口をそろえて近くにクリニックができて助かったとおっしゃっておられました。内科クリニックは比較的立ち上がるまでに時間がかかると言われていますが、その中ではかなり良いスタートをきれたのではないかと思います。
小児科クリニックのケースは少々紆余曲折がございまして、当時勤務していた地方の病院付近で開業を検討されていて、別のコンサル会社と契約してお願いしていたそうなのですがほとんど動いてくれず、やっと紹介された物件は億以上の借金を要するまったく希望していない条件の物件だったそうで、それでもこの機会を逃したら自分達は一生開業できないと考えたそうです。そんな折その物件のすぐ近くに別の小児科が開業する事を先生自ら聞きつけて、コンサル会社に報告したところ、それでもその物件を強引に進めようとする姿勢を見てすでにお支払いしたコンサル料をあきらめて断念されたそうです。(ちなみに弊社の場合は物件が決定するまで費用が発生する事はありません)その後、信頼しているすでに開業した知り合いの先生に相談したところ弊社を紹介して頂きお手伝いさせて頂く事になりました。病院から離れご自宅から通勤できるいくつかの物件を紹介したところ、再開発を遂げマンション群を背景にした駅近くに居抜き物件があり、近隣に小児科を専門とした競合機関がなかった事もありそちらの物件で決まりました。新型インフルエンザが猛威を振るう中、注目を集めての開業となり、内覧会では400人を越える大盛況ぶりでお手伝いをした私達は嬉しいを通り過ぎて終わった時には抜け殻のようになってしまいました。ただ先生の奥様が「私達にはもうダメかと思っていた開業がこんな素敵なクリニックができて本当に感謝しています」と涙ながらに話して下さり、私達も仕事の関係を越えて幸せな気持ちになりました。
少々広告色の強い今回のコラムになってしまいましたが、こういったケースもあるという事で何かご参考になれば幸いです。
コンサルタント碇

2009-11-30