「土日祝日休みと多様性とケースバイケース」

5月になり連休中に改装工事などを実行されているクリニックもあるかと思います。私もクリニック移転に伴う引越し作業を連休中に予定しており、新規クリニックの内装作業や細かい調整に追われている今日この頃です。連休前に内装工事が完了し、連休中に既存クリニックかの医療機器や什器の移設と設定、連休明けに新規クリニックで診察スタートとなります。休診を伴う引越しにこの連休は調度良いタイミングですが、内装に不備があると材料などの手配が難しいため、設計や工事作業には細心の注意が必要です。何事もなく連休が明けますように…。明けましておめでとうの言葉を言えるように…。

 

さて、前回まではコロナ関連でしたが、今回から通常のコラムに戻ります。今回のタイトルからは何の事だかと言ったコラムですが、今まで通り私個人の偏った矜持を文字にしたコラムですのでお気軽にお読み頂ければ幸いです。

 

現在、クリニックの内装設計と施工を行なっているのですが、建築業者とのトラブルについて書きたいと思います。

大手建築施工会社の建築現場の工事期間中に同時竣工で内装工事を進める案件です。もともとはその大手建築施工会社のグループ会社がクリニック部分の設計を行い、大手建築施工会社が一緒に工事も行う予定でした。ですが設計部分でクリニックの意図が伝わらない、工事費用も予算をだいぶオーバーするなどの理由から、私のところに相談がきてお手伝いをする事になりました。グループ会社を断ったり、クリニック部分の施工を建築本体で行わないなど、建築側からすると横槍が入ったようになってしまい、お手伝いできるまでの協議には色々とありましたが、具体的な内容はここでは割愛させていただきます。ただ、建築スケジュールに合わせて設計図書の提出や施工期間の調整となるのはわかりますが、ギリギリの時期に設計と施工会社が変更になった為、施工期間がだいぶタイトになってしまいました。クリニック部分の内装の完了を建築の完了と合わせる必要があり、完成までの日数がかなりギリギリとなっております。その上、建築工事側から土日祝日は完全休養、残業夜間工事禁止の条件が後出しで出てきており、なかなか厳しい状況です。建築完了検査に影響の無い範囲までは工事を完成させ、完了検査後に残工事を行う方向で協議を行なっておりますが、柔軟な対応をしていただけるかどうかと言ったところです。

働き方改革やホワイト企業などの言葉が表すように、土日祝日完全休養、残業なしは大手会社にとっては理想かもしれません。ですが、世の中土日祝日や夜間でも社会は動いております。医師の方でも夜勤もあります。休養日がなく連続の勤務となると問題ですが、今回のような状況の工事の場合も一律会社の決まりだからと言われてしまうと厳しいものがあります。多様性と言いながらケースバイケースでは判断できない事がむず痒く感じます。結果、建築工事とクリニック工事が完了できれば良いとは思うのですが…。

連休でも工事は進みますし、連休じゃないとできない工事もあります。建築工事内と言う条件ですが状況に応じてケースバイケースで考えて頂きたいものです。

今回はトラブルになっておりますが、同じような計画がある際は事前に建築業者にクリニックの設計や施工の実績確認や概算でも工事費用の提示を行った方が良いでしょう。また設計会社や施工会社の変更が可能か、可能な場合は条件や変更がスムーズに行えるリミットなども確認しましょう。

 

クリニックの設計士屋さん

2023-04-30