電子カルテ選定のコツ

ここではクリニックにおける電子カルテ市場の動向と、長年の経験に基づき「電子カルテ選定のコツ」をお伝えいたします。
新規にご開業される先生方の電子カルテの導入率はほぼ100%となり、今や「必須なツール」となりました。
また縦覧点検・突合点検開始などに見られるレセプト審査強化に伴い、紙のカルテから電子カルテへ移行される既存のクリニック様も増加しております。
そんな活況を呈している電子カルテ市場ですが、現在40社近くのメーカーが乱立しており、群雄割拠の様相を見せています。
これからご開業準備に忙しくなる先生にとっては、各社製品を見るだけでも一苦労だと思います。
では、選定においてどんな点を基準に見れば良いのでしょうか?

目からうろこの電子カルテ選定基準

現状多くの先生方が電子カルテを選定するにあたり、まず数社をピックアップしてデモンストレーションをご覧になられます。
その際の検討材料は、一般的には下記の5つの点を基準にされることが多いようです。
・操作性
・機能
・導入実績
・アフターサポート
・価格

オーダーリングシステムや電子カルテシステムのご経験がない先生方には難しいかもしれませんが、メーカーデモを見る前に「最低限、電子カルテに求める事」を一つでも多く認識された上でデモンストレーションを受けられることが大切です。

例えば、「操作性は、こうあって欲しい」や「絶対に欲しい機能」などが事前にあれば、デモンストレーションの見方が変わります。

しかしながら、市場の成熟に伴い各メーカーの操作性や機能差が少なくなってきているのも事実です。
電子カルテメーカー側からしますと、差別化ができなくなってきているといったところでしょうか。
ともすると、先生方がご覧になられるデモンストレーションは、メーカーの一方的な機能自慢かもしれませ
多くのメーカーのデモンストレーションを見れば見るほど、先生方は混乱され、選定が長期化することも少なくありません。
結果、どこも変わらないから、価格の安いメーカーで意思決定するというケースも多く見受けられます。

意外に大切な相性とは

ここからの話は、これまでの話と矛盾するかもしれませんが、システムの選定において重要なのは、先生のお考えに合わせた提案・コミュニケーションのできるメーカー担当者と出会えるかどうか、ということになるのかもしれません。
実績やノウハウを豊富に持つメーカーであれば、先生のお考えを十分に理解した上でご案内、バックアップできるのではないでしょうか。
良いシステムとの出会いは、良い担当者との出会いにあり、電子カルテの付加価値を高める要素なのではないかと考えます。
もちろん、安価で購入することは初期投資、経営的な視点からは必要でありますが、どこに違いを、またどのような付加価値を評価するのかにより、価格のみで判断する、といった安易な選定基準はなくなり、価格以外の要素からシステム選定の視点がうまれてくるのではないでしょうか。

2020-12-23