医院開業における税理士事務所の選び方

クリニック開業にかかる税理士事務所の選び方のポイントを解説します。

なお、クリニックと言いましても事業所になりますので経理や税務対応が必須になってきますことをまずはご理解いただきたいと思います。

複数の勤務先があることから確定申告をされている開業前の先生も多いので、その延長線上にはなるのでしょうが、新たに事業主になるということを考えますと、特に開業当初は税務の専門家にお願いすることをお勧め致します。

医療に精通した税理士を選びましょう。

クリニックの設立時には開業の準備で忙しい中、また自院の診療に慣れない中、事業開始届など煩雑な税務署への申請などをお願いできますので、本業に専念できるというメリットは大きいですし、慣れてきてご自身でやれそうだという判断ができればその段階で止めても良いと思います。

ここで注意しておきたい事は税務の専門家と言いましても、税理士というだけでなく医療機関について精通しているかどうかによって、経理の処理の仕方や提案が変わってきますので、医療への精通度合いを確認しておきたいところです。

税理士事務所選定の具体的な基準

スタッフも雇用することになりますので社会保険労務士の範囲もカバーしてくれる税理士事務所であれば、二重に委託せずに済みますので、選択条件の一つとして考えても良いのではないでしょうか。

ご相談する時期としましては開業地がある程度決まって、開院するまでに複数の税理士事務所の方の話や条件を聞き比べ、信頼や相性の良いところを選べるとベターだと思います。

内容にもよりますが月々2~5万円プラス決算時期に数ヶ月分の顧問料というのが相場のようです。

まずはお知り合いのクリニックの先輩に評判の良い税理士事務所を紹介してもらうという方法もあります。

中には開業時に金融機関からの借入れも手伝う開業コンサル系の会計事務所もあるようですが、「どこで開業しても経理はバッチリやります。」というスタンスでろくに現地を調べもせずに物件を勧めた結果、先生方が開業後苦労するという話もよく聞きますので(けっして全てという訳ではありませんが)、そこは別々に考えた方が良いのではないかと思います。

また個人的なアドバイスとしましては、実績のある大手の会計事務所でも最初の面談には肩書きのある立派な先生が来られて話をして下さるのですが、開業後はコロコロ代わる見習い風の若い担当者がついて月に一度領収書を預かりにきて「何かあったら上に伝えますので気兼ねなく言って下さい。」と言って帰っていくという何の為に高い顧問料を払っているか判らないようなケースもありますので、大手の税理士事務所と言えども油断は禁物です。

経理や税務対策はクリニックの運営に大きく関わる大事なセクションになりますし、経営が順調にいくと医療法人化へのアドバイスが必要になってくる時もあるでしょう。

税理士事務所は長くお付き合いすることを前提に慎重に選ばれることをお勧め致します。

2020-12-18