医療機器選定のポイントはまず先生のクリニックにとって本当に最初から必要な医療機器なのかといったことについて優先順位をつけて考えておく事が大切です。
医療機器の進歩も日進月歩で、次々に新しい機器や機種が出てまいりますが、決して導入コストとして安いものではなく、無分別に導入していきますと後々に医院経営を圧迫する要因となります。
医療機器の営業の方はよく「当然これは入れておかないと」「最近の開業ではこれは必須です」などの営業トークを展開されて、その言葉に通りに導入されてしまう先生方も少なくありません。
そこでここでは医療機器選定のポイントをご説明させていただきます。
医療機器選定の優先順位
限られた予算の中で導入する医療機器を決める場合は、優先順位をつけることになります。
優先順位の考え方は以下の通りとなります。
・最初から導入していないといけない物かどうか
・実際に開業して需要があり、充分に導入費をペイできるかどうか。
導入のメリットとしては3ヶ月遅れて入ってくる診療報酬の実際の収入を見ながら固定費を増やせるかどうかの見極めができることです。
デメリットとしては最初の宣伝に使えないということでしょうか。
医療機器は購入かリースか
医療機器の賢い導入の仕方
医療機器は購入した方が良いのか、またはリースにした方がよいのか、どちらがメリットがあるのでしょうか。
結論を申し上げますと、高額な医療機器の場合は購入ではなく、リースにする場合が多いです。
医療機器単体で10万円以下の機器はリース対象外になりますので、購入する医療機器の枠に入ると思います。
購入した方がよい医療機器としてはレントゲン装置など、一度導入すれば買い換える可能性の低いものになります。
逆にリースにした方が良いものとしては、サイズが小さくなるもの、使用する時間が短くなるもの(例えば電子カルテ関連)等から順に入れた方が良いと思います。
そもそもリース料率って何?
高額な医療機器を導入する際、リース会社を利用することも多くあります。
リースを導入した場合は毎月リース料が発生します。
リースの活用には内装や運転資金などを確保する為に銀行などで借りられる枠を使ってしまった場合等の資金調達先という一面もありますが、支払うリース料が全額損金(費用)として経費で認められる分、節税のメリットもあります。
リース料は各リース会社が提示する料率に基づいて算出されますが、ここで注意しなければならないのはリースの料率は金利とは違うということです。
リース料率とは先生が医療機器業者と交渉して決めた金額に毎月の使用料としてリース会社に支払う金額の算出率の事で、例えば1,000万円の医療機器をリースしリース料率が1.8%であれば毎月のリース料は18万円となります。
このリース料率には医療機器に対する保険や固定資産税などが含まれているものの、金利に換算すると日本政策金融公庫や銀行などの金利より割高になってしまう事を認識しておきたいところです。
また、リース料率もさることながら保険の内容やリース期間終了後の取り扱いについてはリース会社によって多少異なりますので、よく説明を聞き納得の上で契約する事が大切です。
ちなみにリース期間が終了し、まだまだ充分に使える医療機器に関しては再リースを組む事になると思いますが、先ほどの例で説明しますと、毎月支払っていたリース料18万円の年額(216万円)の10分の1の金額(21万6千円)で年契約する事が一般的です。
意外にかかる什器備品費用
医療機器とは別にレジやコピー機・プリンター等の事務機器等も積み重なると意外と高額になります。
そのためにもある程度の予算を事前に確保しておきましょう。
なお、什器備品とは待合のソファーや先生のデスク、診察台や棚、スタッフ用ロッカーといったものになります。これらも診療所の広さにもよりますが、積み重なると高額になります。
これらも購入枠として、予算組みする必要があります。